著者
井上 美智子
出版者
一般社団法人 日本環境教育学会
雑誌
環境教育 (ISSN:09172866)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.1_95-108, 2009 (Released:2011-01-25)
参考文献数
64
被引用文献数
2 1

This paper reviewed the researches on environmental education (EE) for kindergartens and nursery schools that have been conducted in the past 20 years. Throughout the history of EE, international guidelines have emphasized the incorporation of EE in early school curriculum. However, these guidelines have not directly influenced the EE-related practical activities that are adopted in kindergartens and nursery schools in each nation. Research papers on EE focusing on early childhood have been produced mainly in the USA (1990s) and Australia (late 1990s∼2000s). In Europe, although only a few English language works exist, works on the practical activities for young children are plentiful; prominent among these are Waldkindergarten in Denmark and Germany and Skogsmulle in Sweden. Further, in Japan, many research papers dealing with the same issue have been produced since the 1990s. However, only a few of these papers discussed what EE is, what significance EE has, and the practical manner in which EE can be implemented in the early school curriculum. Based on the analyses of these research papers, the author discusses the factors hindering the incorporation of practical activities related to EE in kindergartens and nursery schools.
著者
谷口 博人 井上 美智子 増澤 利光 藤原 秀雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.127-135, 2001-02-01
参考文献数
6
被引用文献数
10

本論文では, 移動端末だけからなる分散移動システムであるアドホックネットワーク上でのクラスタ構成法を考察する.クラスタ構成法とは, ネットワーク上の全ノードをクラスタヘッドとそれと直接通信可能なノードであるクラスタメンバからなるクラスタに分割することである.移動端末は, 計算能力, 通信能力などの点でパフォーマンスが低いため, 移動端末にかかる負荷が小さい手法が望まれる.分散システムの問題として, 端末の移動や, トポロジーの変化に伴うオーバヘッドを考慮しなければならない.更に, 無線チャンネルの帯域幅の空間再利用の観点などから, クラスタ構成をすることによって, 階層構造を構築する利点がある.その際, ネットワークで交換する情報量を少なくするためクラスタヘッドを少なくすることや, 管理情報の受け渡しを少なくするためクラスタヘッドの変更数を少なくすることが望まれる.本論文では, アドホックネットワーク上にクラスタを構成するクラスタ構成法及び, 移動端末の移動などによりトポロジーが変化した場合に対応するクラスタ再構成法を提案する.提案するクラスタ構成法は, トポロジーグラフが密な場合を除き, 従来手法に比べてクラスタ数が少ないこと, また, 提案するクラスタ再構成法は, 従来手法に比べ, クラスタ数が少なく, またクラスタヘッドの変更数が少ないことをシミュレーション実験で示す.
著者
藤原 暁宏 石水 隆 井上 美智子 増澤 利光 藤原 秀雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. PRO, [プログラミング]
巻号頁・発行日
vol.98, no.30, pp.129-136, 1998-03-23

本稿では, 近年注目されている並列計算モデルであるCGMモデル及びBSPモデル上で, 要素数nの選択及びソートを行う決定性の並列アルゴリズムを提案する.まず最初に, 内部計算時間がO(n/p)時間, 通信ラウンド数がO(min(log p, loglog n)のコスト最適な選択を行う並列アルゴリズムを提案する.次に内部計算時間がO(n/p log p)時間, 定数通信ラウンド数の通信ラウンド数が最適な並列アルゴリズムを提案する.上記の2つのアルゴリズムは, n/p≥P^εかつε>0を満たすプロセッサ数pに対して動作する.最後に, 2つ目の選択アルゴリズムの拡張として, n/p≥P^2を満たすpに対して, O(n/p log n)時間, 定数通信ラウンド数でソートを行うアルゴリズムを提案する.
著者
谷口 博人 井上 美智子 増澤 利光 藤原 秀雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.724, pp.9-16, 2000-03-22
参考文献数
6

移動端末だけからなる分散移動システムであるアドホックネットワーク上でのクラスタ構成法を考察する.クラスタ構成法とは, ネットワーク上の全ノードをクラスタヘッドとそれと直接通信可能なノードであるクラスタメンバからなるクラスタに分割することである.分散システムの問題として, 端末の移動や, トポロジーの変化に伴うオーバヘッドを考慮しなければならない.本稿では, アドホックネットワーク上にクラスタを構成するクラスタ構成法および, 移動端末の移動などによりトポロジーが変化した場合に対応するクラスタ再構成法を提案する.提案手法は, クラスタ構成法, クラスタ再構成法ともに, 従来手法に比べ, クラスタ数が少ない, またクラスタヘッドの変更数が少ないことをシミュレーション実験で示す.
著者
井上 美智子 無藤 隆
出版者
近畿福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

東京都・兵庫県の保育所・幼稚園1600園を対象とした質問紙調査を実施し、分析を進めた。その結果、園庭や地域の環境の実態にかかわらず、保育者が意図的に自然との関わりを活動の中に含まれるよう環境や活動を考えていることがわかった。しかし、そこで見られる活動内容や環境設定は従来の自然との関わりと大差はなく、自然の循環性や多様性を意識した内容などはまだあまり検討されていないことが明らかになった。また、幼保・公私のカテゴリー別にみてみると、多くの点で公立幼稚園の実態が高く評価できた。今後、自然体験プログラム等のノウハウが蓄積すれば、保育現場が受け入れる余地は十分にあると考えられ、期待が持てた。環境教育実践施設キープ自然学校における幼児対象自然キャンプでは、3年間の継続実施の過程で、幼児対象のプログラムは原則的にフリープログラムが有効であることが確認できた。しかし、そこには保育者、あるいは、関係する大人のかかわり方が重要であり、子ども観・保育観を共有しながら、子どもが自主的に遊びを創出していく過程を援助する役割に徹する必要性が確認できた。また、子どもが森の中で活動する内容には単に自然体験だけの枠に留まらない多様な経験があり、子どもの総合的な発達の全ての部分に関わる場を提供していると考えられた。その上に、自然の中ではそこでしかできない体験も含まれることから、自然との関わりが発達に寄与するものが再確認できたといえる。今後は、保育者に向けてこれらの活動の意義を啓発していく必要が感じられた。最終年度には、同様の活動をしている他団体と、保育現場の教員を交えてまとめの研究会を実施した.各実践者とも自然との関わりの価値を認めそこに子どもの多様な育ちの場認めているが、それを言語化していくこと、また、親にどう向き合っていくかが課題であると確認できた。
著者
岡本 恵子 井上 美智子 大政 里美 新井 志津子 山口 美穂 錦織 絵理 川崎 光記
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
日本理学療法学術大会 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.E1171-E1171, 2007

【はじめに】軽度運動機能障害児(以下、軽度児)は、運動制限や学習の遅れに加え、ソーシャルスキル獲得や自我発達の遅れの課題も抱えているが、運動機能以外の課題に対する支援や周囲の障害理解が不足している。この結果、集団の中で自分を認められる経験や達成感を積めず、小学校高学年頃から孤立することが多くなる。当センターでも、学校の中で自己実現できない学童児が多いことが個別治療を通じて見えてきた。<BR> よって今回、軽度児が集団の中で認められる経験を積み、学校の中で主体的な生活を送れるように、「わいわいクラブ」を立ち上げ、集団による生活支援に取り組んだので報告する。<BR>【目的】軽度児同士の仲間を作り、集団の中で自己実現ができるように支援する。集団の中で軽度児の課題を明確化し、主体的に生活する力を蓄えられるように支援する。<BR>【対象】小1~小6の応用歩行から杖歩行可能な軽度運動機能障害児11名。地域の小学校に通い、知的障害の程度も軽度。<BR>【支援内容】月に1回、放課後に1.5時間のクラブを開催。活動は、楽しくて達成感を積めるもの・集団や仲間を意識しやすいものとし、1年目はクッキング、2年目は太鼓の演奏を行った。1回の内容は、ウォーミングアップのゲーム→メインの活動→クールダウンのおやつタイム。支援スタッフは、保育士6名とPT1名。<BR>【支援経過】第1に、環境設定と精神的サポートを支援の土台とした。環境設定として、活動中の姿勢変換を減らし楽な姿勢で活動に集中できるようにした。説明や指示は単純明確にし絵や具体物も提示して、内容を十分に理解した上で活動を開始した。精神的サポートとして、自分なりにやってみることが大事だと伝え、その後に認められる嬉しさを実感できるようにした。これらの結果、苦手意識を持たず十分に達成感を積め、受身ではなく積極的に活動参加できる児が増えた。<BR> 第2に、発表や意見交換の場を設け集団意識が芽生える工夫をした。集団の中で自分について話すことから始め、徐々にクラブの仲間について発表するテーマに変えていった。すると、自分中心の言動が多かった児が、友達にも目を向け周囲の状況に沿った言動をとることが増えた。<BR> 第3に、チーム制の活動を通じ集団の中で主体性を引き出す工夫をした。チームで一人ずつに役割を作り、相談し工夫する場面も設けた。この積み重ねにより、大人の介入が減り児同士で活動を展開することが増えた。<BR>【まとめ】今回の支援を通じて、児が自分を出せる場・自信を持てる場を作ることが必要だと分かった。今後は、低学年児には精神発達のサポート・高学年児にはソーシャルスキル獲得という生活年齢課題別の支援を工夫することが課題である。<BR> また、生活支援をするには個別治療だけでは限界があり集団での取り組みが重要であると実感した。今後も、軽度児に関わることの多いPT自身が広い視点を持ち、集団による生活支援に取り組んでいきたい。
著者
井上 美智子 萩原 兼一 都倉 信樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.76, no.7, pp.405-406, 1993-07-25

本論文では,非同期の超立方体状ネットワークでの最小重み生成木構成分散問題のメッセージ複雑度の下界がΩ(nlogn)であることを示す(最悪時評価,n:プロセッサ数).上界O(nlogn)は知られているので,この下界はオーダ的には最良である.
著者
須田 克朗 守屋 宣 井上 美智子 増澤 利光 藤原 秀雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション
巻号頁・発行日
vol.98, no.562, pp.9-15, 1999-01-23

時間タイマを持つ分散システム上での線形化可能性を保証する共有レジスタの無待機な実現を考察する.すべてのプロセスに既知で, 0<u<dである定数d, uに対し, すべてのメッセージ遅延は[d-u, d]の範囲であることを仮定する.本稿では, read操作の最悪応答時間がd, write操作の最悪応答時間がuであるような線形化可能な実現を示す.さらに, この実現は無待機であること, すなわち, 任意個のプロセスの停止故障に耐性があることを示す.