著者
Mason Michele M.
出版者
Center for Advanced Tourism Studies
雑誌
International Journal of Contents Tourism
巻号頁・発行日
vol.1, pp.31-43, 2016-06-13

Arakawa Hiromu's best-selling manga Silver Spoon, which began serialization in 2011, kicked off an impromptu migration of fans to the story's setting, the Tokachi-Obihiro region of Hokkaido. Both local tourism officials and agricultural stakeholders quickly devised a number of strategies to capitalize on the newfound interest in their region. Their efforts only intensified when anime and film versions were released in 2013 and 2014. This article examines the ways local officials, business owners, and other constituents have pursued not only profits from Silver Spoon-inspired tourism, but also the chance to offer a different picture of agricultural life than is typically disseminated in the media. Below, I demonstrate how the promotion of Ban’ei horse racing, a wide-variety of agricultural products, and hands-on farming and food production experiences are at the heart of local community's attempts to appropriate the cultural capital of Silver Spoon to craft narratives of Tokachi identity, heritage, and pride.
著者
張 慶在
出版者
Center for Advanced Tourism Studies
雑誌
International Journal of Contents Tourism (ISSN:24327557)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.45-52, 2017-03-01

本リサーチノートでは、コンテンツツーリズムとイベントツーリズムの側面から、コンテンツをテーマにするイベントの特徴について明らかにする。具体的には、北海道洞爺湖町で行われる 「TOYAKO マンガ・アニメフェスタ」(TMAF)に対する参与観察をもとに、参加者の参加形態を分析する。TMAF は、ポップカルチャーコンテンツをテーマとするイベントであり、2010年からはじまった。初年度の3千人から年々参加者が増え、2015年には約6万人が参加した。TMAF では、ポップカルチャーコンテンツが観光を誘発する要素の一つであり、そういう意味でTMAF に対する観光はコンテンツツーリズムと言うことができる。一方、TMAF はフェスティバル形式のイベントであり、イベントが観光を誘発するイベントツーリズムの特徴も見られる。TMAF に参加する観光客の実際の観光パターンからは、既存のコンテンツツーリズムとイベントツーリズムとは少々異なる特徴が見られる。TMAF において参加者は、観光客であると同時に、場の雰囲気を作るホストのような役割をする。また、伝統的にはホストに属する地域住民がゲストのような役割をすることもある。TMAF の事例を通して、コンテンツツーリズム、イベントツーリズムなどポップカルチャーイベントをめぐるダイナミックな観光の在り方が見られる。
著者
張 慶在
出版者
Center for Advanced Tourism Studies = 北海道大学観光学高等研究センター
雑誌
International Journal of Contents Tourism (ISSN:24327557)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.45-52, 2017-03-01

本リサーチノートでは、コンテンツツーリズムとイベントツーリズムの側面から、コンテンツをテーマにするイベントの特徴について明らかにする。具体的には、北海道洞爺湖町で行われる 「TOYAKO マンガ・アニメフェスタ」(TMAF)に対する参与観察をもとに、参加者の参加形態を分析する。TMAF は、ポップカルチャーコンテンツをテーマとするイベントであり、2010年からはじまった。初年度の3千人から年々参加者が増え、2015年には約6万人が参加した。TMAF では、ポップカルチャーコンテンツが観光を誘発する要素の一つであり、そういう意味でTMAF に対する観光はコンテンツツーリズムと言うことができる。一方、TMAF はフェスティバル形式のイベントであり、イベントが観光を誘発するイベントツーリズムの特徴も見られる。TMAF に参加する観光客の実際の観光パターンからは、既存のコンテンツツーリズムとイベントツーリズムとは少々異なる特徴が見られる。TMAF において参加者は、観光客であると同時に、場の雰囲気を作るホストのような役割をする。また、伝統的にはホストに属する地域住民がゲストのような役割をすることもある。TMAF の事例を通して、コンテンツツーリズム、イベントツーリズムなどポップカルチャーイベントをめぐるダイナミックな観光の在り方が見られる。This research note analyses pop-culture-related festivals as contents tourism based on participant observation at the Toyako Manga Anime Festa (TMAF).TMAF began in 2010 and is an annual festival on the theme of manga and anime. There were 3,000 participants in the first year. Numbers have increased year by year and in 2015 there were almost 60,000 participants during the two days of the festival.Pop culture contents help to induce visitation to Toyako town, therefore participation in TMAF can be called a form of contents tourism. Conversely, TMAF has a festival format which includes many exhibitions, therefore participation in TMAF can also be called event tourism. Meanwhile, the behaviour of participants at TMAF consists of various travel patterns which belong to neither contents tourism nor event tourism. Attendees participate simultaneously as festival performers and as visitors to the event. Also, residents of Toyako town, who do not treat participants as tourists as in the traditional host/guest theory of tourism studies, tend to behave like tourists at TMAF. As a result, the dynamic patterns of tourism related to pop culture as seen atTMAF constitute a synergistic blend of contents tourism and event tourism.
著者
張 慶在
出版者
Center for Advanced Tourism Studies = 北海道大学観光学高等研究センター
雑誌
International Journal of Contents Tourism
巻号頁・発行日
vol.1, pp.45-52, 2016-07-29

本リサーチノートでは、コンテンツツーリズムとイベントツーリズムの側面から、コンテンツをテーマにするイベントの特徴について明らかにする。具体的には、北海道洞爺湖町で行われる 「TOYAKO マンガ・アニメフェスタ」(TMAF)に対する参与観察をもとに、参加者の参加形態を分析する。TMAF は、ポップカルチャーコンテンツをテーマとするイベントであり、2010年からはじまった。初年度の3千人から年々参加者が増え、2015年には約6万人が参加した。TMAF では、ポップカルチャーコンテンツが観光を誘発する要素の一つであり、そういう意味でTMAF に対する観光はコンテンツツーリズムと言うことができる。一方、TMAF はフェスティバル形式のイベントであり、イベントが観光を誘発するイベントツーリズムの特徴も見られる。TMAF に参加する観光客の実際の観光パターンからは、既存のコンテンツツーリズムとイベントツーリズムとは少々異なる特徴が見られる。TMAF において参加者は、観光客であると同時に、場の雰囲気を作るホストのような役割をする。また、伝統的にはホストに属する地域住民がゲストのような役割をすることもある。TMAF の事例を通して、コンテンツツーリズム、イベントツーリズムなどポップカルチャーイベントをめぐるダイナミックな観光の在り方が見られる。
著者
Mason Michele M.
出版者
Center for Advanced Tourism Studies = 北海道大学観光学高等研究センター
雑誌
International Journal of Contents Tourism (ISSN:24327557)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.31-43, 2017-03-01

Arakawa Hiromu's best-selling manga Silver Spoon, which began serialization in 2011, kicked off an impromptu migration of fans to the story's setting, the Tokachi-Obihiro region of Hokkaido. Both local tourism officials and agricultural stakeholders quickly devised a number of strategies to capitalize onthe newfound interest in their region. Their efforts only intensified when anime and film versions were released in 2013 and 2014. This article examines the ways local officials, business owners, and other constituents have pursued not only profits from Silver Spoon-inspired tourism, but also the chance to offer a different picture of agricultural life than is typically disseminated in the media. Below, I demonstrate how the promotion of Ban'ei horse racing, a wide-variety of agricultural products, and hands-on farming and food production experiences are at the heart of local community's attempts to appropriate the cultural capital of Silver Spoon to craft narratives of Tokachi identity, heritage, and pride.荒川弘によるベストセラーマンガ作品『銀の匙 Silver Spoon』は、2011年の連載開始後すぐに、舞台地・北海道十勝帯広への作品ファンの流入を引き起こした。地元の観光行政担当者と農業関係者の両者は、新たに地域に生まれたこうした好機をフルに活かすための多くの戦略を素早く立案した。こうした彼らの取り組みが活発化したのは、2013年のアニメ版の放送、2014年の劇場版公開に依るところが大きい。本稿では、地元の行政・事業者・その他の地域構成員が、同作品に触発されたツーリズムによる利益をどのように追及したのか、さらにそうしたツーリズムを、メディアを通して広まっている農業生活のステレオタイプなイメージとは異なる、新たなイメージを提供する機会としてどのように捉えたのか、について分析する。そして、ばんえい競馬や農畜産物、実際の農畜産業・食糧生産などのプロモーションを通して、地域コミュニティがどのように、文化資本としての同作品を十勝のアイデンティティ・遺産・誇りに関する語りの生成へと結びつけていったのかを示す。
著者
小新井 涼
出版者
Center for Advanced Tourism Studies, Hokkaido University
雑誌
International Journal of Contents Tourism
巻号頁・発行日
vol.4, pp.45-59, 2019-03-22

本研究では、コンテンツツーリズムの観点から、コスプレイベントにおけるコスプレ参加者の<リアルでフィクションを再現(re-enactment)する試み>について検討を行う。そのための具体的な研究対象として、北海道洞爺湖町で毎年開催されているTOYAKOマンガ・アニメフェスタを取り上げ、そこでのコスプレ参加者の実践を観察した。その結果、コスプレ参加者がアニメやゲームと結びつきのない洞爺湖町という現実世界(リアル)に、作品世界との形態的・意味的類縁性を見出し、フィクションとしての作品世界を再現している様子が見られた。こうしたコスプレ参加者の実践の分析を通して、コスプレイベントにおいて行われている、コスプレ参加者による<リアルでフィクションを再現するための見立て>が、コンテンツツーリズム実践として位置づけることが可能かについて論じる。
著者
Sabre Clothilde
出版者
Center for Advanced Tourism Studies
雑誌
International Journal of Contents Tourism (ISSN:24327557)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-19, 2017-03-01

Japanese pop culture, particularly anime and manga, have been an important part of the French cultural scene since the 1980s. French fans have created communities that share references about this pop culture and more generally about Japan. This specific imaginary drives some fans to travel to Japan to discover the actual places which appear in their favourite manga/anime. Focusing on the travel experiences of French tourists, this article introduces the notion of media pilgrimage as a useful way of conceiving such behaviour. Taking an anthropology of tourism approach, the article details the processes that guide the tourist experience on trips induced by media-contents-related imaginaries. This clarifies the connections between media-related images, perceptions of Japan as a tourist destination, and the concrete activities of foreign tourists during their stay. The article also identifies a gap between the Japanese perception of Western tourists, as indicated by the 'Cool Japan' campaign, and the tourist experiences of French visitors. Places chosen as sites for media pilgrimage by French fans are heavily influenced by the ways in which the Japanese contents were first viewed and consumed in France, but there is little evidence of awareness of this in Japanese promotional materials aimed at French tourists.
著者
Seaton Philip
出版者
北海道大学観光学高等研究センター
雑誌
International Journal of Contents Tourism (ISSN:24327557)
巻号頁・発行日
no.1, pp.1-2, 2017-03-01

本書は、ウェブジャーナル"International Journal of Contents Tourism (IJCT)" において2016年1年間に掲載された論文等を1冊にまとめ、紙媒体として刊行したものです。
著者
Nanjangud Apoorva
出版者
北海道大学 観光学高等研究センター
雑誌
International Journal of Contents Tourism
巻号頁・発行日
no.4, pp.1-11, 2019-02-25

本研究ノートは、ボリウッド映画やその関連産業・商品の影響で成立するツーリズム実践を「ボリウッド・ツーリズム」と呼び、日本を目的地としたボリウッド・ツーリズムの課題と可能性について論じたものである。同時に本研究ノートは、コンテンツツーリズムの文脈からボリウッド・ツーリズムを評価するとともに、ボリウッド・ツーリズム研究が盛んに実施されているアジア地域に着目することで、従来西欧中心で行われてきたフィルムツーリズム研究の領域に、非西欧からの視座を取り入れることを目指している。既往研究においてボリウッドは、世界的な映画産業という視点からその重要性が論じられてきた。しかし、旅行動機形成における現代ヒンディー語映画の役割と、その結果としての観光流動に関する研究は、依然として断片的なままであり、また、コンテンツツーリズムの視座から行われた研究も目下存在していない。そこで本研究では、日本を目的地としたボリウッド・ツーリズムと、ボリウッド映画の特徴である歌による物語形式に特に着目することで、ボリウッド・ツーリズムとコンテンツツーリズムの理論的関連性について論じる。そのうえで、目下、日本を目的地としたボリウッド・ツーリズムが直面する課題と、今後の可能性について考察を行う。