- 著者
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石塚 伸一
赤池 一将
浜井 浩一
- 出版者
- 龍谷大学
- 雑誌
- 新学術領域研究(研究領域提案型)
- 巻号頁・発行日
- 2011-04-01
日本における犯罪者・非行少年処遇は、未だ科学化が進んでおらず、法律家の先入見に支配されている。中央政府主導の犯罪対策には限界があるを自覚した政府は、地方政府や地域社会、NPOとの連携を模索している。他方で、市民は、人間科学にもとづく犯罪問題の解決に期待をしているが、十分な情報をもたないために、扇情的な犯罪報道に聳動して、刑罰ポピュリズムに惑わされる傾向がある。犯罪者・非行少年の処遇において、法と人間科学への期待は大きい。個別分野での科学的実践を通じて、実践的科学としての犯罪学の領域に フィードバックされる諸課題を受け止めながら、法と人間科学の中に新たな犯罪学を構築していく必要がある。