著者
中内 啓光 丹羽 仁史 横田 崇 須田 年生 岡野 栄之 石川 冬木
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002

本特定領域研究では1)細胞の初期化の機構の解明、2)幹細胞の未分化性維持機構、3)幹細胞の多様性と可塑性の三つの柱を中心に5年間にわたり研究を進めた。ES細胞、組織幹細胞のそれぞれにおいて研究が大きく進展したが、最近2年間に本特定領域研究の分担研究者である山中伸弥教授らによって遺伝子導入によって体細胞を多能性幹細胞に変換する技術が開発され、再生医療・幹細胞研究に大きな転換を迎える事態となったことは特筆すべきことである。厳しいガイドラインのため本邦においてはヒトES細胞研究が諸外国と比して進展に遅れていたが、倫理的問題を含まないiPS細胞技術の登場により、多能性幹細胞の分野にも今後大きな研究の進展が見込まれる。そこで昨年度は新しく開発されたiPS細胞産生技術を中心に「幹細胞研究を支える新しいテクノロジー」というテーマのもとでシンポジウムを開催した。産業界を含む300名近い研究者が参加し意見を交換することにより、本研究領域における研究で得られた知見を速やかに共有することができた。また、総括班メンバーを中心に今後の幹細胞研究の進め方などについても討議がなされた。

言及状況

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「幹細胞の可塑性と未分化性維持機構」 http://t.co/FDTWNEJICb 「発がんと発がん防御の基礎的研究」 http://t.co/JYxne8YT3C

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