著者
洲鎌 秀永
出版者
日本医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01 (Released:2015-04-16)

申請者は慢性ストレスによる黒質(Substantia Nigra)ドーパミン細胞および青斑核(Locus Ceruleus)ノルアドレナリン細胞の神経変性を報告した(Sugama et al., Brain Behav Immun 2016)。更に、腹側被蓋野および視床下部のドーパミン細胞も有意に減少している事を突き止めた(Sugama et al., Neurosci Res 2016)。今年度は、慢性ストレスによって引き起こされるドーパミン神経変性におけるメカニズムについて検討した。まず、ミクログリア活性化および酸化ストレスの抑制の目的で、ミノサイクリンを試みた。結果として、ストレス後の急性期にはミクログリアの抑制は起こるものの、慢性期ではその作用が減弱を示した。ドーパミン変性については、HPLC、免疫組織化学、In Situ Hybridizationで比較した所、ミノサイクリンによる神経保護作用は認められなかった。むしろ、ストレスによるドーパミン産生低下を強める結果も認められた。ドーパミン以外のノルアドレナリン、セロトニンについても同様であった。ミクログリア抑制剤であるミノサイクリン使用(長期)では、場合によって神経毒性を発揮する可能性が示唆された。但し、同薬剤の脳虚血性神経変性への保護効果は他の論文で報告されており、私たちの結果との相違については更なる検討が求められる。今回はネガティブデータであり当初の予想と異なるものとなったが、ストレスによる神経変性メカニズム検討への更なる課題を明らかにする事が出来た。

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むしろ、ストレスによるドーパミン産生低下を強める結果も認められた。ドーパミン以外のノルアドレナリン、セロトニンについても同様であった。ミクログリア抑制剤であるミノサイクリン使用(長期)では、場合によって神経毒性を発揮する可能性が示… https://t.co/6111zZduzJ

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