著者
中村 俊夫 齋藤 努 山田 哲也 南 雅代
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

これまで申請者らは,操作に手間がかかるが完全に鉄試料を溶融する温度まで加熱して含有炭素を抽出できる高周波加熱炉(RF加熱炉)から構成される調製装置を所持して使用してきた.本研究では,さらに別途に,簡便な炭素抽出法の開発を目指している.これまでの方法と,結果を比較しつつ,新しい簡便法を実用上問題ない段階まで完成させる.具体的には石英管内に封入する鉄試料の重量と助燃剤の重量の相対比,また,鉄試料の加熱温度や加熱時間の設定,さらに,一連の試料調製において発生する可能性のある外来炭素による汚染の有無や,汚染がある場合にその除去方法の検討である.4年間の研究計画のうち,3カ年をかけて,これらの検討を実施し,特に,石英管内に封入する鉄試料の重量と助燃剤の重量の比や鉄試料の形状などを検討し,安定な収率が得られる条件を確認した.この方法を用いて,1g程度の金属鉄試料および錆びた鉄試料から,それらの資料に含まれる炭素をほぼ85%以上の収率で,さらに通常の14C年代測定に用いる試料と同程度の14Cブランクで,回収することができる.また,日本刀の14C年代測定についての要望が多々寄せられており,日本刀の美術品としての価値を失わないようにして,1g程度の鉄試料を,日本刀の一部として分取する方法を,民間の日本刀研ぎ師との共同で開発研究を行ってきた.開発した鉄試料の分取法により,国内の日本刀およびオランダの博物館に保管されている日本刀から鉄試料を採取して14C年代測定を行い,日本刀の形式・文様などから推定される時代区分とほぼ調和的であることを確認している.

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@shiranui812 こーゆーのありますね https://t.co/r4ujqepXr6
https://t.co/r4ujqe7OcY 何処かの刀屋さんのブログで読んだんだっけ?
⑦C14による年代測定 研ぎの際に出るごく少量の削り状の鉄から分析したり、錆からの分析も進めているということでこちらも日本刀をなるべく痛めない方法での高精度分析を目指す。従来からあるAMSという手法。 https://t.co/Cb18Vqz1hT

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