- 著者
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中村 俊夫
齋藤 努
山田 哲也
南 雅代
- 出版者
- 名古屋大学
- 雑誌
- 基盤研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2017-04-01
石英管内で金属鉄を加熱、酸化して鉄中の炭素を回収する方法を検討した。石英管内に1gの鉄試料と4gの助燃剤(CuO)を封入して、1000℃で15時間加熱した場合、炭素収率は90%程度であり、外来炭素の汚染無しに14C年代測定に必要な炭素量が回収できる。この方法を用いて、日本刀から分取した金属鉄中の炭素を抽出し、年代測定を行い、日本刀の公式な鑑定年代と比較した。公式鑑定は、測定結果とほぼ一致した。出所が不明な日本刀では古すぎる14C年代が得られ、14C年代を基に出所来歴の詳細を検討する必要がある。サビ鉄でも、予想される14C年代が得られたことから、サビ鉄の14C年代測定の実用化が可能になる。