2 0 0 0 OA 蝸牛考

著者
柳田 國男
出版者
一般社団法人 日本人類学会
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.125-135, 1927-04-25 (Released:2010-06-28)
被引用文献数
1

2 0 0 0 OA 見ないカムイ

著者
宮坂 光次
出版者
一般社団法人 日本人類学会
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.39, no.7-9, pp.274-279, 1924-11-14 (Released:2010-06-28)
著者
海部 陽介 坂上 和弘 河野 礼子
出版者
一般社団法人 日本人類学会
雑誌
Anthropological Science (Japanese Series) (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
vol.125, no.1, pp.25-38, 2017 (Released:2017-06-27)
参考文献数
29
被引用文献数
1

長崎県佐世保市に所在する下本山岩陰遺跡から,1970年に麻生優らによって発掘された人骨を整理したので報告する。この資料中には,縄文時代前期に属する比較的保存のよい2体と,弥生時代に属する合葬された男女2体,その他の人骨が確認された。縄文時代前期人骨について,少なくともほぼ完全な1体には縄文時代人的な形態特徴が色濃くみられた。弥生時代人骨は,1個体に高顔傾向が認められる点に留意しなければならないが,全体的に北部九州弥生時代人より縄文時代人と類似する。この形態特徴と遺跡の地理的位置の両面から,本人骨は,一般に縄文時代人の系譜を継ぐとみなされている,いわゆる西北九州タイプの弥生人集団(在来系の弥生人集団)に含めることができるだろう。これらの人骨にみられた高頻度の骨折,同地域内での咬耗ならびに口腔衛生状態の変化についても合わせて報告する。
著者
出口 米吉
出版者
一般社団法人 日本人類学会
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.8-20, 1912-01-10 (Released:2010-06-28)
著者
金澤 英作 坂上 和弘
出版者
一般社団法人 日本人類学会
雑誌
Anthropological Science (Japanese Series) (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
vol.126, no.1, pp.5-13, 2018 (Released:2018-06-28)
参考文献数
33

江戸時代の遺跡から発掘された甕棺被葬者(武士階級)と早桶被葬者(庶民階級)の頭蓋196例について第三大臼歯の欠如率を調査した。欠如率は調査歯数に対する欠如歯数の割合として算出し,その結果は,順に早桶男性23.8%,早桶女性26.5%,甕棺男性30.0%,甕棺女性36.0%であった。女性が男性より欠如率の高い傾向にあったが,男女を総合した欠如率は早桶群が24.8%,甕棺群が33.2%であった。この率には5%レベルでの有意差があった。これまでの研究から早桶群が幅広く比較的頑丈な顎を持つこと 甕棺群が狭い顔面と華奢な顎を持つことが知られており,今回得られた結果を考察すると,早桶群では発達した上下顎骨に第三大臼歯を容れる十分なスペースがある一方で,甕棺群ではそのスペースが足りないということがその要因として考えられる。
著者
服部 恒明 廣原 紀恵
出版者
一般社団法人 日本人類学会
雑誌
Anthropological Science (Japanese Series) (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
vol.127, no.2, pp.73-79, 2019 (Released:2019-12-18)
参考文献数
31

戦後日本人の身長が年年増加を続けたことは多くの時代差研究で明らかにされてきた。この伸長化の傾向は1994年から2001年あたりをピークに終了したとされ,高径のプロポーションは今後変わることはないだろうという指摘がされている。本研究は,学校保健統計調査報告書(文部科学省)のデータを用いて,成人値に最も近い17歳の日本人青年における座高と下肢長の変化を戦後から現代までBody Proportion Chart法によって観察した。このチャート法により,身長,座高,下肢長および座高に対する下肢長の比の経年変化を同時に観察した。その結果,現代の青年は身長の増加は止まったが,座高の増加と下肢長の減少が同期してみられることから,高径のプロポーションは今なお変化していることが明らかになった。この経年変化は,対象集団の中で座高が高くなる資質をもった人の割合が増加したことに起因する可能性がある。それをもたらした要因として,対象集団の親世代において,長胴傾向にある女性で出産割合がより高いことなどが推測された。日本の青年の高径比率が依然として変化していることを考慮すると,今後その変化の要因を検証するうえでも,座高の測定は学校保健調査の一環として再開されることが望まれる。

1 0 0 0 OA アイヌ命名考

著者
吉田 巖
出版者
一般社団法人 日本人類学会
雑誌
東京人類學會雜誌 (ISSN:18847641)
巻号頁・発行日
vol.26, no.298, pp.134-143, 1911-01-20 (Released:2010-06-28)
被引用文献数
1
著者
蔵元 秀一 譜久嶺 忠彦 久高 将臣 西銘 章 石田 肇
出版者
一般社団法人 日本人類学会
雑誌
Anthropological Science (Japanese Series) (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
vol.117, no.2, pp.55-63, 2009 (Released:2009-12-25)
参考文献数
25
被引用文献数
2 2

久米島近世の成人距骨193個体343側,脛骨151個体227側を用い,距骨蹲踞面形状を5型{ストレート型,内側関節面前方延長型,内側蹲踞面型(複合1),内側蹲踞面型+外側滑車面前方延長型(複合2),内側関節面前方延長型+外側滑車面前方延長型(複合3)}に,脛骨は外側蹲踞面有りと無しの2型に分類した。結果,1)男性は女性より,複合2と複合3の出現頻度が高い傾向にあり,複合2の右側で男性の頻度が有意に高い。2)左右差では,女性の複合1で右側の頻度が有意に高い。3)脛骨外側蹲踞面の出現頻度も男性が女性に比べて高い。4)脛骨外側蹲踞面が存在する時は,距骨に外側滑車面前方延長型を伴うことが多い。距骨および脛骨蹲踞面出現頻度から,久米島近世人骨では男性の方が女性よりも蹲踞姿勢を習慣的にとっていると考えられた。距骨蹲踞面形成を運動学的に解釈すると,内側蹲踞面は足関節が伸展(以下,背屈)することにより,距骨内側部と脛骨下端部に靭帯や関節包などの軟部組織がはさまれて形成される。足関節がさらに背屈すると,距骨外側滑車面前方部と脛骨下端前縁部外側が衝突し,距骨の外側蹲踞面が形成されると思われる。本土の縄文時代,江戸時代および近代人骨よりも,距骨蹲踞面と脛骨外側蹲踞面の出現頻度が低いことから,久米島近世人骨においては習慣的な蹲踞姿勢が少なかった可能性を示した。