著者
五十嵐 友里 河田 真理 長尾 文子 安田 貴昭 堀川 直史
出版者
一般社団法人 日本総合病院精神医学会
雑誌
総合病院精神医学 (ISSN:09155872)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.389-396, 2014-10-15 (Released:2017-11-22)
参考文献数
17

うつ病診療における精神科とプライマリケアの連携システムとして,先行研究において協同的ケアが提案されてきた。これまで,日本ではこの協同的ケアの実施報告はなかったが,今回実践したので症例を通してこの取り組みを報告する。協同的ケアでは,プライマリケア医による通常のうつ病診療に加えてケースマネージャーが患者の受療支援を行う。今回の実践では,ケースマネージャーは臨床心理士が担当して電話介入を実施し,精神科医はケースマネージャーに受療支援に関する定期的なスーパーバイズを行った。本稿では,薬剤や副作用に対する不安を訴えた2 例に対する支援を概観しながら今回の協同的ケアの実践を報告し,最後に,協同的ケアで行われた支援について考察した。
著者
吉村 知穂 山田 恒
出版者
一般社団法人 日本総合病院精神医学会
雑誌
総合病院精神医学 (ISSN:09155872)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.130-137, 2014-04-15 (Released:2017-06-03)
参考文献数
4

摂食障害患者の入院治療を行っている施設は少ない。当院では,平成24年度から摂食障害の入院加療を開始したが,さまざまな困難を経験した。そのなかから,総合病院における摂食障害の入院加療について,2つの問題を取り上げる。1つ目は緊急入院の多さであり,2つ目が医療スタッフとの協力が難しいことである。緊急入院は身体治療としては有益だが,摂食障害の精神病理の改善につながらないことが多い。その事実を医療者が認識し,患者や家族に伝え続ける必要がある。患者の精神病理に医療スタッフが影響されてしまうことが多く,医療スタッフへの教育を継続することが重要である。
著者
新光 穣 松石 邦隆 福武 将映 毛利 健太朗 井上 和音 小山 忠明 伊藤 聡子 北村 登
出版者
一般社団法人 日本総合病院精神医学会
雑誌
総合病院精神医学 (ISSN:09155872)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.49-54, 2013-01-15 (Released:2016-08-31)
参考文献数
35

せん妄は心臓血管外科での手術後にしばしばみられる。本研究では,術前のstatin内服が心臓手術および大血管手術後の患者におけるせん妄の発症と相関するか否かを検討した。2011年7月1日から2012年6月30日にかけて神戸市立医療センター中央市民病院心臓血管外科に入院し,心臓手術もしくは大血管手術を受けた324症例のカルテを後方視的に調査した。その結果,術前のstatin内服は術後せん妄のリスクを有意に低下させていた(OR=0.57,p=0.049)。その他の要因では,緊急手術,高齢,より長い手術時間において有意にせん妄のオッズが上昇した。本研究は,statinが中枢神経系への保護作用を通じて心臓手術,大血管手術後のせん妄を抑制することを示唆している。