著者
酒井 克彦
出版者
中央ロー・ジャーナル編集委員会
雑誌
中央ロー・ジャーナル (ISSN:13496239)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.83-102, 2017-06-30

Much litigation has taken place on the scope of salary income. The Decisions reflect two patterns. One pattern involves consideration of labor. The other involves consideration of the employee's position. Matters of labor, by themselves, are insufficient to resolve the question. Employee status also is a crucial factor. As to that, one important factor is whether the worker is subordinate to the company or-alternatively-is not independent of the company. The former focuses on working conditions; the latter is concerned with who bears risks and expenses.
著者
勝野 真人
出版者
中央ロー・ジャーナル編集委員会
雑誌
中央ロー・ジャーナル (ISSN:13496239)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.193-252, 2013-12

行政裁量行為に対する司法審査方式を参考にしつつ,経営判断原則及び我が国における取締役の経営判断についての司法審査方式の将来の方向性を考察するもの。
著者
安念 潤司
出版者
中央ロー・ジャーナル編集委員会
雑誌
中央ロー・ジャーナル (ISSN:13496239)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.143-172, 2016-09

株式会社が支払う政治資金パーティーの対価のうち、当該パーティーに出席しなかった人数に対応する金額が政治資金規正法4条3項にいう「寄附」に当たるか、という問いに対して、出席の予定がもともとない場合であれ、あるいは、チケット購入時にはあったがその後の事情によって出席できなくなった場合であれ、対価の支払額が同法所定の上限額150万円以内であれば寄附には当たらない、と答えるものである。
著者
安念 潤司
出版者
中央ロー・ジャーナル編集委員会
雑誌
中央ロー・ジャーナル (ISSN:13496239)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.93-118, 2019-03

本稿の中心的な検討対象である伊方3号機広島高裁決定について、先行する裁判例を分析しつつ、その発想の特色を、立証責任の配分という法律家に馴染み深い考え方に沿って説明した。併せて、本決定がいかなる意味で「科学裁判」であるのか、そうであるとして、裁判所の判断能力が当然に劣るといえるか、についても検討した。
著者
安念 潤司
出版者
中央ロー・ジャーナル編集委員会
雑誌
中央ロー・ジャーナル (ISSN:13496239)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.103-123, 2014-12

本邦に在留しない外国人(いわば「在外外国人」)が日本国憲法上の権利を享受するのであろうか、また、享受するとしてどの程度においてなのであろうか。この問題は、マクリーン事件最高裁判決では明示的には触れられなかった。本稿では、外国法人の日本国内における行動が憲法上の保護を受けるのか、という問題を立てて、それを事例問題形式で考察した。解説の行論上、内閣総理大臣の行政各部に対する指揮監督権の意義についても触れた。
著者
安念 潤司
出版者
中央ロー・ジャーナル編集委員会
雑誌
中央ロー・ジャーナル (ISSN:13496239)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.127-146, 2018-12

火山噴火についての基礎的知識を整理した後、伊方原発3号機について火山影響評価がどのようになされたかを概観したもの。
著者
宮原 均
出版者
中央ロー・ジャーナル編集委員会
雑誌
中央ロー・ジャーナル (ISSN:13496239)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.85-101, 2014-12-20

本稿においては、先例拘束の国とされるアメリカにおいても、先例変更がかなり行なわれている点に着目し、その問題点を検討した。まず、先例変更がもたらすメリット・デメリットを指摘し、次に、先例拘束を根拠づける理論がいかに形成されてきたかに関して歴史的にフォローした。「法宣言説」や「議会沈黙論」に触れた後に、社会等の変化に対応するために先例変更も認められるようになってきたが、先例を信頼した当事者に対する不意打ちを避ける必要があることが強く認識されるようになった。そこで、「区別」等による先例への漸進的浸食の意義と将来効判決の必要性を指摘した。
著者
酒井 克彦
出版者
中央ロー・ジャーナル編集委員会
雑誌
中央ロー・ジャーナル (ISSN:13496239)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.47-62, 2017-03-31

平成23年に国税通則法が改正され、税務調査手続に関する各種の規定が設けられた。そこでは、修正申告の勧奨をすることができる旨の規定は新設されたものの、その勧奨の在り方に関する規定は存在しない。これまでは、納税者の明確な拒絶に反して繰り返し修正申告を勧めるといったケースなど、法の趣旨を逸脱すると認められる場合に当たらない限り、修正申告の勧奨の違法性が問われることはなかったと思われる。しかしながら、投資者保護あるいは消費者保護法制が想定するような「誤解をさせる行為」や「困惑をさせる行為」は、修正申告の勧奨の場面においても同様にあるのであるから、これらの行為が抑制されるような立法的手当はあり得るのではなかろうか。本稿では、この点についてのルール化を図る必要性について論じている。
著者
齋藤 航
出版者
中央ロー・ジャーナル編集委員会
雑誌
中央ロー・ジャーナル (ISSN:13496239)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.71-98, 2019-06-30

Some cases of comparative negligence in contract law have found fault by the injured party in breaching a duty contemplated by the agreement. Other cases, however, have gone beyond that. They have found the injured party at fault because of unreasonable actions, despite the absence of a clear agreement.In contractual duty cases, the rationale of comparative negligence is based on the expression of the agreement of both parties. However, that analysis falters in non-contractual duty cases. Why should an injured party be required to behave reasonably in the absence of a contractual obligation? The presence of an agreement or contract is not enough to explain all cases of comparative negligence.
著者
齋藤 航
出版者
中央ロー・ジャーナル編集委員会
雑誌
中央ロー・ジャーナル (ISSN:13496239)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.43-67, 2019-03

The justification of "comparative negligence" has primarily been discussed in tort cases. The most popular explanation is "fairness" to both parties. Courts have adopted this approach and have considered the circumstances of victims that affected the damage caused by other parties. Counterarguments have been made, however, that "fairness" is too ambiguous to serve as a justification . In considering comparative negligence in contract cases, the behavior of parties can be thought to be regulated by their agreement . In other words, fault should be found in accordance with their contract. This opinion affected the 2017 amendment of the Civil Code.
著者
安念 潤司
出版者
中央ロー・ジャーナル編集委員会
雑誌
中央ロー・ジャーナル (ISSN:13496239)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.33-61, 2013-06-30

日本音楽著作権協会(JASRAC)は、多年にわたり、ライセンスの方法として「包括許諾」「包括徴収」と呼ばれるブランケット方式を採用してきた。これに対して公取委は、私的独占に当たるとして排除措置命令を発したが、JASRACの審判の申立を受けた公取委は、原処分を取り消す審決をなした。この審決に対して、JASRACの競争事業者がその取消しを求めて東京高裁に出訴した。競争事業者は、排除措置命令取消審決を争う原告適格を有するのであろうか。本論文は、独禁法、行訴法はもとより、特許法、民訴法など関連の法分野の制度や議論を鳥瞰しつつ、競争事業者に原告適格はないとする結論を導いたものである。
著者
長井 圓
出版者
中央ロー・ジャーナル編集委員会
雑誌
中央ロー・ジャーナル (ISSN:13496239)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.3-68, 2017-09-30

Death occurs inevitably whenever whole-brain failure is irreversible. In the conventional process of human death, brain death occurs 4-10minutes after the reversible arrest of cardiorespiratory functions. The irreversible loss of beating and breathing leads to a lack of blood circulation. However, other organs and tissue remain alive for different periods of time. In the case of brain death with cardiopulmonary functions, homeostasis is maintained by a respirator and integrated care unit. This homeostasis is neither real nor indicative of a vital organism. It is just mechanical, not spontaneous. Physicians, of course, must treat patients with respirators whenever possible and effective after cardiorespiratory arrest. We can never return to the traditional cardiorespiratory definition of death. How could we make the definition dependent on the death of all cells in the entire organism? The criteria of brain death were developed as a means of making the decision to discontinue treatment in terminally ill patients, when further efforts would offer no benefit. Inflicting only pain is illegal, a cruel abuse of the technology.