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- 巻号頁・発行日
- vol.巻1-44,46-52,
鎌倉幕府の歴史を編年体で記述したもの。治承4(1180)年から文永3(1266)年までを収める。本書は、戦国時代の武将のあいだでも愛読され、近世には特に徳川家康がこれを重んじ、伝本の収集に努めるとともに、慶長10(1605)年、いわゆる伏見版のひとつとして活字印行させた。当館本はこれとは異なる古活字版で、無刊記であるが慶長・元和年中の刊行と推定されている。和風の漢文体で書かれ、片仮名活字が本文中で、平仮名活字が歌や人名の一部等で使われている。承兌による跋文は整版で、伏見版のものがそのまま襲用されている。第1冊目録終葉裏に、「羅浮本云」として林羅山の考証を移写している。全52巻中巻45が原欠。幕末・明治初期の国学者榊原芳野(1832-81)の旧蔵書。他に「稽古堂記」「思貽堂図書記」の2印記が押捺されている。