- 著者
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石﨑 俊子
- 出版者
- 名古屋大学国際言語センター
- 雑誌
- 名古屋大学日本語・日本文化論集 (ISSN:1348804X)
- 巻号頁・発行日
- no.28, pp.39-61, 2021
本稿は、3人の教師のオンライン授業インタビューから中級のオンライン日本語授業の受講者の満足度に影響を及ぼす諸要因を明らかにすることを目的とし、インタビューデータをもとに、KH Coderを用いて分析した。結果、中級の日本語授業は以下の点に留意して行うと、学習者の満足度を向上させることが明らかになった。まず、大前提として予習型の授業を行う。その際、(1)学習者には授業前までには必ず提出を義務付ける、(2)教師は、授業までに必ず目を通し、学習者の間違いの傾向を見極める。フィードバックについては(1)宿題、課題のフィードバックは必ず授業で行う、(2)フィードバックは個人の学習者の答えを共有する、(3)フィードバックは対応できる範囲内で丁寧にする、(4)フィードバックは正答を与えずに誘導する。の4点に留意する。また、これは人数にもよるが、ある程度の人数のクラスでは積極的にZoomのブレークアウトセッションなどを利用した学習者中心型のアプローチの授業を取り入れる。