著者
今西 衛 佐藤 慶一 石橋 健一 斎藤 参郎
出版者
名古屋産業大学
雑誌
名古屋産業大学論集 (ISSN:13462237)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.15-21, 2007-03-16

政府地震調査研究推進本部では、首都圏直下地震、東海地震、東南海・南海地震などの発生確率について、いずれも高い数値を与えており、近い将来、我が国の都市部が大地震に見舞われることが危惧されている。災害により多数の住宅喪失世帯が発生した際、災害救助法が適用されると、医療や食品・飲料水の供与などとともに、避難所や応急仮設住宅という居住支援が行われる。阪神・淡路大震災では、約20万の住宅喪失世帯に対して、約5万戸の応急仮設住宅が供給されたように、我が国の応急住宅支援においては、仮設住宅による対応が中心的な役割を果たす。仮設住宅については、多額の建設費、維持管理費、撤去費を要し、従来より、現物支給から現金支給へと切り替えた方が効率的ではないか、という議論があるが、理論的な検討は十分とは言えない。2004年に被災者生活再建支援法が改正され、仮住まいの家賃としても利用可能な支援金給付が認められることとなったが、どの程度利用されるのか、その評価は十分ではない。そのような状況を踏まえ、本研究では、経済学的アプローチによる理論的枠組みを構築し、費用便益分析の価値概念に基づいて災害応急居住支援の制度分析を試みた。分析を通して、仮設住宅や借上住宅の家賃が無料であるならば、住民にとってそれと同等な生活水準をもたらし、かつ、行政の費用負担が少なくなるような家賃補助制度が存在することが示され、我が国の応急居住支援の制度設計への一つの知見を得ることができた。
著者
石崎 保明
出版者
名古屋産業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、これまで扱われることの少なかった特に近代英語期以降の口語的資料における句動詞の使用の実態に焦点を当て、その文献学的・時代的背景を考慮しながら詳細に調査し、それらを認知言語学において標準的に採用されている用法基盤モデルの観点から説明することにより、歴史言語学における言語変化理論に対して貢献を図ることである。本研究最終年度となる今年度は、電子コーパス等に収められている口語体で書かれた初期および後期近代英語を中心に調査を進めながら、個々の事例に対して用法基盤モデルの観点から考察した。具体的には、英語表現のイディオム化には、少なくとも、語彙化に由来するものと文法化に由来するもの2種類があり、ともに用法基盤モデルの観点から自然な説明が可能であることを示すことができた。初期近代英語期から後期近代英語期にかけてのoutを含む句動詞の歴史的発達の傾向については、第50回名古屋大学英文学会のシンポジウムで公表し、outを含む句動詞における動詞と副詞の結合の仕方やその結合度のより詳細な歴史的発達については、3年に一度開催される英語の語彙の歴史的発達を射程においた国際会議(The Third International New Approachesin English Historical Lexis Symposium、於ヘルシンキ大学)で口頭発表した。特に後者については、同じく後期近代英語期に発達したoutを含む句動詞であっても、その発達の種類が個別事例により異なり、例えば'to start'を意味するset outは、一見したところ語彙化由来のイディオム化の事例にみえるものの、実際には文法化に導かれたイディオム化の事例であることを論証した。また、用法基盤モデルに基づく英語の歴史的発達に対する分析の妥当性については、語彙の歴史的意味変化を扱った研究書を書評した中でも触れた(2編の書評論文の内1編は、2012年6月に刊行予定である)。
著者
清水 幸丸 高田 秋広
出版者
名古屋産業大学
雑誌
環境経営研究所年報 (ISSN:13475886)
巻号頁・発行日
no.6, pp.1-13, 2007-03

太陽熱空気集熱器を用いて、空気を加温する。加温した空気を煙突状柱体に集中させ上昇気流を生じさせる。この煙突の中の上昇気流中に風車羽根車を設置する。風車を回転させて、動力を取り出し、小型モータを転用した発電機を駆動し発電を行う。本研究では、第一段階として、上昇気流の発生と風車から動力を取り出すこと、および微弱ではあるが、発電機から電力を取り出すことをめざし、成功させた。
著者
岡村 聖
出版者
名古屋産業大学
雑誌
名古屋産業大学・名古屋経営短期大学環境経営研究所年報 (ISSN:13475886)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.15-22, 2002-03-31

The urban canopy model could reproduce typical temporal change of heat fluxes in sunny days over urban canopy with and without vegetation. During consecutive sunny days, daytime sensible heat flux did not show rapid increase from day to day over the modeled urban canopy with vegetation. Analysis of the model simulation clearly indicated this was due to the vegetation's ability to subtract water in deep soil layer and to use it for evapo-transpiration. Another interesting feature found in the simulation with the vegetation case was that vegetation canopy forms cool island through development of relatively cool mixed layer with large turbulence, associated with drag and strong wind shear by vegetation, and small sensible heat flux from the canopy to upper layer.The urban canopy model could reproduce typical temporal change of heat fluxes in sunny days over urban canopy with and without vegetation. During consecutive sunny days, daytime sensible heat flux did not show rapid increase from day to day over the modeled urban canopy with vegetation. Analysis of the model simulation clearly indicated this was due to the vegetation's ability to subtract water in deep soil layer and to use it for evapo-transpiration. Another interesting feature found in the simulation with the vegetation case was that vegetation canopy forms cool island through development of relatively cool mixed layer with large turbulence, associated with drag and strong wind shear by vegetation, and small sensible heat flux from the canopy to upper layer.
著者
松田 修
出版者
名古屋産業大学
雑誌
名古屋産業大学論集 (ISSN:13462237)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.79-88, 2005-11-30

ASEAN was established in 1967 by the five original member countries, namely, Indonesia, Malaysia, Philippines, Singapore, and Thailand. Brunei Darussalam joined in 1984, Vietnam in 1995, Laos and Myanmar in 1997, and Cambodia in 1999. As the effort for global convergence in accounting, there is a move by countries in ASEAN adapting the standards of IASC and its successor IASB. This paper deals with historical overview of accounting standard-setters and accounting developments in ASEAN.
著者
岡村 聖
出版者
名古屋産業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2001

太平洋側沿岸部大都市の典型として名古屋を中心とした濃尾平野を対象に、当該地域の気候特性を活かした建物の空間分布、道路、植生、水田、水面分布等を調べることを目的とした研究を行った。手順としては、1.詳細な土地利用分布データの作成、2.空間3次元キャノピーモデルの改造、3.解析対象領域における真夏日、熱帯夜の温度空間分布の再現、4.省エネルギー都市空間構造に関するシナリオ作成及びモデルシミュレーションによる考察、の順に研究を進めた。1.については、(1)GISソフトウェア、(2)詳細な土地利用分布の基となるデータ、をそれぞれ導入し、当該データを作成した。2.ついては、並列計算機能を備えたあらゆる科学技術演算用サーバに対応可能なモデルソースコードへの改良を、計算時間の短縮に最も有効な支配方程式系およびキャノピー層内の熱収支計算について行った。3.については、(1)都市熱環境の広域性、(2)熱環境と都市空間構造の空間1次元性、(3)熱環境と都市空間構造の空間3次元性に対する知見を、それぞれ、研究発表として取りまとめた。例えば、(2)については、観測結果との比較によりモデルの有効性を確認すると共に、晴天で空間1次元性がなりたつ気象状況の場合、日中低層の建物が密集している地域がより高温になること、夜間高層の建物が密集している地域で気温が低下しにくいこと、等の結果を得た。4.については、3.(3)について更に研究をすすめ、極端な乾燥状態、湿潤状態等、様々な初期条件に対するモデルの感度解析を行いモデル細部のチューニングを行うと共に、3次元気象現象に対するモデルの有効性を検討した。今後、1.の詳細な土地利用分布データを入力とした、3次元モデルシミュレーション結果に基づく、省エネルギー都市空間構造に関するシナリオ研究を最終成果として取りまとめる予定である。