著者
米野 史健
出版者
国土技術政策総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

民間非営利組織(NPO)が一定の公益性を有する住宅の供給事業を立ち上げて継続的に運営するのに必要となる、資金調達とコスト負担の方法及びそれを経済的に支援する仕組みを検討するため、NPOによる住宅の供給・管理事業の実態と、住宅供給・管理事業における資金確保の状況を、事業報告書等の公開資料を基に把握・検討した。その結果、高齢者などの住宅確保要配慮者向けの住宅供給が志向されているが、介護保険等の公的制度に基づくサービスを付加する形でないと経営は成り立ちにくく、整備資金の調達も難しい状況が示された。あわせて、東日本大震災後の住宅供給等の取組についても実態を把握した。
著者
柴崎 隆一 一井 康二 家田 仁 渡部 富博 家田 仁 渡部 富博
出版者
国土技術政策総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

港湾を中心とした社会基盤施設のもつネットワーク性に着目し,海上物流に関する地震被害の経済評価手法を開発するため,これまであまり考慮されることのなかった, (1)重力式岸壁以外の港湾施設における地震被災確率, (2)連続または近接する港湾施設の被災の相関, (3)国際海上コンテナ貨物以外の形態の貨物の経済被害, (4)国際輸送市場における均衡状態の変化が社会経済に与える長期的な影響の評価,について検討を行った.
著者
喜々津 仁密 奥田 泰雄 神田 順 河井 宏允
出版者
国土技術政策総合研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究課題では,竜巻による突風危険度に関する各種の評価を行うことを目的として,屋内型の竜巻発生装置を設計・製作した.そして,同装置を活用して低層建築物を想定した風圧模型実験を行うとともに,建築物への飛来物の衝突の様子を実験的に再現した.また,実験結果に基づいて屋根に作用する突風荷重モデルを構築し,荷重の大きさと建築物側の開口条件等との関係を明らかにした.
著者
石倉 智樹
出版者
国土技術政策総合研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

航空輸送サービス産業の生産活動において,空港という社会資本が不可欠である以上,空港容量が逼迫しボトルネック化することによって,生産効率性が低下することは不可避である.特にネットワークの中核をなす空港における容量制約は,効率的に生産量拡大が可能な地点における物理的な生産量制約となり,航空輸送サービス産業の成長を阻害する主要因となる.したがって,そのような空港における容量に余裕を持つこと自体が,経済学的な意味での生産効率性の向上をもたらすと言える.また,航空輸送サービスは,様々な産業の生産活動において派生需要として中間投入的に利用されるため,この生産性の向上の効果は航空輸送サービス産業のみならず,あらゆる産業の経済活動に波及すると考えられる.その結果,国民経済レベルでの大きな効果が生じると期待される.一般に用いられる(部分均衡的な)費用便益分析の手法や産業連関分析による経済効果手法では,事前にwith/withoutそれぞれのケースについて航空需要予測値を推定することが必要となる.このため,需要予測値が得られていなければ,経済効果計測を行うことができないという問題点を抱えている.したがって,航空需要予測値の有無に依存せず,空港整備による経済効果を直接推定する手法が望まれる.本研究は,空港の容量拡大による航空輸送サービスの生産性向上,およびその経済波及効果・便益を,需要予測値の有無に依存せず,評価する手法を構築した.その適用事例として,我が国の国内航空輸送ネットワークの中心的空港である羽田空港の容量拡大による,航空輸送サービス産業の生産性向上と経済効果を推定するモデルを同定した.さらに本研究は,羽田空港の整備が我が国経済に及ぼしてきた効果,再拡張事業等による将来の容量拡大がもたらす効果の定量的推定を行った.