著者
丸山 敬 河井 宏允 西村 宏昭 花谷 真由子
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会論文集 (ISSN:13493507)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.1-12, 2014-01-31 (Released:2014-03-20)
参考文献数
27
被引用文献数
1

Even though the importance of protecting windows from windborne debris under strong winds, there are still no available building codes or standards for their protection to building cladding in Japan. By contrast, some specifications for cladding performance under impact from windborne debris, including testing methods, exist in some foreign country and ISO standards. It is necessary to investigate the impact performance for roof tiles, representative windborne debris in Japan, in order to make domestic codes or standards. We made a new designed air cannon which can propel not only steel balls and a lumber but also a roof tile as missile. A series of impact tests based on ISO 16932 was conducted on laminated glasses by various missiles. This paper described the results of the impact performance and proposed standard missiles those include a lumber missile with equivalent destructive power to roof tiles.
著者
河井 宏允 西村 宏昭
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集 平成15年度日本風工学会年次研究発表会
巻号頁・発行日
pp.19, 2003 (Released:2006-01-26)

強風による瓦の飛散原因を調べるため,自然風中において寄せ棟屋根上の瓦の表面と裏面に作用する風力を測定した。測定は,強風地帯で行われている軒先を完全にシールした場合と,軒先をシールしない場合の両方の状態で行った。軒先をシールすることによって,風上屋根面の野地裏の平均圧力が低下し,瓦に作用する正味の平均揚力も低下する。瞬間的に瓦に大きな揚力が働くのは,風が軒に対してほぼ正面から当たる場合の風上側の屋根面であり,この場合,瓦の表面に作用する風力が瞬間的に大きく低下する一方,野地裏の圧力即ち瓦の裏面の圧力はほぼ平均値を保つ。軒先をシールした場合には,瓦の表面の圧力が大きく低下する時,野地裏の圧力も追従して低下する結果,瓦に作用する正味の圧力がそれ程低下しない。したがって,軒先のシールは瓦の飛散防止にとって効果的な方法の一つと考えられ。
著者
喜々津 仁密 奥田 泰雄 神田 順 河井 宏允
出版者
国土技術政策総合研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究課題では,竜巻による突風危険度に関する各種の評価を行うことを目的として,屋内型の竜巻発生装置を設計・製作した.そして,同装置を活用して低層建築物を想定した風圧模型実験を行うとともに,建築物への飛来物の衝突の様子を実験的に再現した.また,実験結果に基づいて屋根に作用する突風荷重モデルを構築し,荷重の大きさと建築物側の開口条件等との関係を明らかにした.
著者
河井 宏允
出版者
東京電機大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

300m以上の高さを持つ超高層建築物では,風荷重がその構造設計にとって支配的な荷重となる。このような超高層建築物では,従来の建築物では問題とはならなかった渦励振やギャロッピング,フラッターなどの空力不安定振動が生じ,振動振幅が急増し建築物が崩壊する恐れがある。本研究では,超高層建築物に対するこれらの空力不安定振動の発現の条件,発現の防止方法を風洞実験を主体として検討した。検討の結果,以下のことが判明した。(1)奥行きの短い断面の建築物では,都市内のような乱れた剪断気流中でも,渦励振が生じ,場合によっては,建築物が破壊される恐れがある。(2)渦励振が生じる風向は,風が面に直角に当たる所謂風向0°から高々15°程度の範囲であり,風が斜めから当たる場合には,激しい渦励振は生じない。(3)曲げ振動はねじり振動の影響は殆ど受けないが,ねじり振動は曲げ振動の影響を大きく受ける。両者の固有振動数比が1に近い場合,振動エネルギーが相互に移動し,ねじりフラッターは却っておきにくくなる。固有振動数が離れている場合には,ねじりフラッターは曲げ振動の影響を受けず,低い風速から発振する。(4)建物の角面を取ったり,丸めたり,或いは欠くとった変更は,渦励振などの空力不安定振動に極めて有効である。また,角付近に非常に小さなルーバーなどの突起物を付けることも振動防止に有効である。角の変更は,角が欠く方法が最も有効であり,その場合欠く部分は幅の1/20以下の方が良い。これは従来の実験で確かめられているものよりずっと小さく,わずかな設計変更により,渦励振を防止できる可能性を示している。