著者
芦高 恵美子 伊藤 誠二
出版者
大阪工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

神経ペプチドノシスタチンは、神経損傷後の慢性痛や炎症性疼痛に対し抑制効果を示す。我々は、マウス脊髄シナプス膜よりノシスタチンに結合するタンパク質(Nocistatin binding protein, NSP)を同定した。ノシスタチンは神経組織に広く存在しているN末端の欠損した29kDaのNSPと結合した。NSP遺伝子欠損マウスでは、野生型で認められたノシスタチンによる触覚刺激によるアロディニアの抑制効果の消失に加え、炎症性疼痛の増強も認められた。
著者
小島 夏彦
出版者
大阪工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

本研究では汽水湖中海で2年間,水質,渦鞭毛藻群集,休眠胞子(シスト)の定期的な調査を行い,(1)中海に生息する渦鞭毛藻群集の実態,(2)これら渦鞭毛藻群集が環境変化の中でどのような変動を見せるのかを明らかにすることができ,(3)群集変動はどのようなメカニズムのもとで起きているのかについて手がかりを得た.これらのことは今後の汽水域での渦鞭毛藻研究の指針になるものと考えられる.中海の渦鞭毛藻群集として32種が認識された.以前の中海におけるプランクトン調査では渦鞭毛藻は多くて数種が認識されていたにすぎない.したがって本研究で初めて中海の渦鞭毛藻群集の実態が明らかになったと言える.この群集で優占し,しかもほぼ周年観察されるものとしてProrocentrum minimum,Heterocapsa rotundata,small Gymnodinium complexがあげられる.特にProro.minimumの赤潮状態にも至る圧倒的な優占と無殻渦鞭毛藻の多様性の高さが中海渦鞭毛藻全体の特徴として指摘できる.中海では上述したように3つのグループが周年存在するがその個体数の変動は激しい.群集変動のメカニズムについては,汽水域が極めて環境変動が激しいことから,環境が短期間に大きく変化するような場所では常に環境状態をモニターできる状況に渦鞭毛藻が存在することが他種に対してアドバンテージを得ることになると考えられる.これはどういう形にしろ周年水中に遊泳体として存在することが環境変化に対する素早い対応を導くことを意味する.その意味では本湖で優占する上記3グループのほとんどがこの条件のもとに生息し,汽水環境に適応していると言える.これらのことから,シスト形成種は不適環境をしのぐための適応と考えられてきたが,汽水環境では特に独立栄養種は,シスト形成についてはそれほどプラスには働かないと考えられる.以上のことを考慮すると,古生態学へ渦鞭毛藻シスト群集を応用する時に過去のシスト群集がその当時の汽水湖の遊泳体群集を忠実に反映しているとは考えにくい.そのような状況を考えれば中海底質に多い従属栄養種のシスト群集の遊泳体群集の中での働きをさらに調べる必要があろう.
著者
岡田 三津子 鈴木 孝庸 櫻井 陽子
出版者
大阪工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

奥村家関連資料は、京都当通座の最後の最高責任者であった奥村允懐一の所有していた楽器・文書類を主とする資料の総称であり、現在、京都市歴史資料館に寄託されている。本研究では、奥村家関連資料の悉皆調査および正確な書誌データ収集を第一の目的とした。調査の結果、謡本として認識されていた資料が、従来未知の波多野流平曲譜本のほぼ一揃いであることが判明した。資料調査の成果をふまえ『京都当道座奥村家関連資料総目録』を作成した。
著者
川田 進
出版者
大阪工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は以下の二つの仮説を実証することを目的とした。「チベット問題を読み解く鍵は東チベットにある」。「東チベットの宗教上を読み解く鍵は漢人信徒にある」。前者の仮説証明は概ね達成することができたが、後者は継続調査が必要である。調査対象地域は当初四川省カンゼチベット族自治州とアバ羌族チベット族自治州を予定していた。しかし、研究期間中に「2008年チベット騒乱」が発生したことにより、青海省内のチベット人居住地区も調査対象に加えた。「2008年チベット騒乱」について、その動向を時系列に追い、発生の原因と特徴をつかむことができた。中国共産党の宗教政策を検討するためにラルン五明仏学院とヤチェン修行地にて定点観測を実施した。統一戦線活動の実態を知る上で、ゲダ5世・ゲダ6世と中国共産党の政治的結びつきを明らかにした。
著者
神谷 健一
出版者
大阪工業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究課題ではデータベースソフトを用いて主に高校・大学の英語授業に生かすことができるプリント教材および E-learning 教材の作成を任意の素材から簡便に行うことができるツールを開発した。Phrase Reading Worksheet 作成ツールは主に精読を中心とする授業の補助に、Cloze Test 作成ツールは総合能力の測定に加え、特定の文法項目や語彙レベルの指導補助に、それぞれ利用することができる。