著者
曽山 典子 森 徹
出版者
天理大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では,ピボタル・メカニズムの性能とGroves-Ledyardメカニズムの下での均衡戦略の学習可能性について実験経済学手法を用いて研究し,次の2点を明らかにした。(1)厳密に凹の評価関数の下で連続的に変化する公共プロジェクトの規模決定問題に適用されるピボタル・メカニズムは,支配戦略である真実表明以外には最良反応が存在しない利得構造を実現でき,支配戦略の適合的学習を促す上で優れた性能を発揮する。(2)Groves-Ledyardメカニズムにおいて,個人の戦略選択行動のNash均衡への収束を図るために罰則パラメータの値はsupermoduralityの充足を要求するほど高い水準に設定される必要はなく,Nash行動下での収束条件の下限を超える値で十分収束が可能である。
著者
下村 作次郎
出版者
天理大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、この3年間、台湾国内の第一線の台湾原住民文学の研究者と互いに連携を取りながら、研究を推進することができた。それゆえ、最前線の台湾原住民文学の創作と研究状況を充分に理解しながら、予期した以上の研究成果をあげることができた。具体的にあげると、次のようなものがある。1、国際学会での研究報告(4回)。会場は、下記の通りである。国立東華大学(2005.9)、国立中山大学(2006.5)、国家中央図書館(2007.9)、天理大学(2008.4)2、論考の学会誌への発表3、静宜大学および国立台湾文学館での鼎談と講演4、『台湾原住民文学選』の翻訳出版(現在7巻既刊)5、『高一生(矢多一生)研究』全10号の出版6、高一生生誕百年国際シンポジウムの開催の準備(2008年4月18日・19日に開催した)なお、本研究は、台湾原住民文学研究に関する基礎的研究であり、引き続き本研究を発展させる必要がある。幸い平成20年度から22年度まで「台湾原住民族における言語環境の変移および言語転換(日本語から漢語へ)の実相」」(基盤研究(C))を受けることができた。さらなる研究の深化と拡大を期したい。
著者
安井 眞奈美 飯島 吉晴 齊藤 純 柿本 雅美 高橋 大樹
出版者
天理大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、近代における出産・育児の変容を明らかにするため、「奈良県風俗誌」と呼ばれる大正4年(1915)に編纂された史料の出産・育児に関する記述を翻刻し、分析を行なった。この史料は、奈良県教育会によって大正天皇即位大礼記念事業の一つとして実施された、民俗調査の膨大な報告書群である(未刊行)。本研究では、明治期から大正期にかけて、出産・育児習俗がいかに変容したのかを明らかにし、当時の出産観や子ども観についても考察した。
著者
山中 秀夫
出版者
天理大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

NACSIS-CATに蓄積した書誌情報の分析をもとに,著作典拠コントロールとしての統一タイトルの課題を研究した。日本古典籍目録では,著作典拠コントロールは必要不可欠なシステムであるが,その際の課題を考えた。次に,共有する情報として出版者情報の分析を行った。識別情報としての出版者情報の重要性を確認するとともに,出版者名と時代,所在地,書名をキーとして探索できるシステムを試作した。