著者
大塚 英志 小松 和彦 安井 眞奈美 エルナンデス アルバロ 荒木 浩 劉 建輝
出版者
国際日本文化研究センター・プロジェクト推進室
雑誌
日文研大衆文化研究叢書 全5巻序論集
巻号頁・発行日
2022-03-17

国際日本文化研究センターによる大衆文化研究プロジェクト(人間文化研究機構機関拠点型基幹研究プロジェクト「大衆文化の通時的・国際的研究による新しい日本像の創出」)の成果として刊行された「日文研大衆文化研究叢書」シリーズ全5巻 [『日本大衆文化史』(KADOKAWA, 2020年9月)、『禍いの大衆文化 : 天災・疫病・怪異』(KADOKAWA, 2021年7月)、『身体の大衆文化 : 描く・着る・歌う』(KADOKAWA, 2021年11月)、『〈キャラクター〉の大衆文化 : 伝承・芸能・世界』(KADOKAWA, 2021年11月)、『戦時下の大衆文化 : 統制・拡張・東アジア』(KADOKAWA, 2022年2月)] の序論を集めたもの
著者
安井 眞奈美
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2014-CH-103, no.11, pp.1-4, 2014-07-26

本発表では,国際日本文化研究センターの 「怪異・妖怪伝承データベース」 (http://www.nichibun.ac.jp/YoukaiDB/) に所収されている怪異に関する膨大なデータの中から身体に関するものを集め,各身体部位に分けて分析を試みる.それを踏まえ,妖怪・怪異に狙われやすい身体部位を紹介し,そこにどのような身体観が表現されているのかを明らかにしたい.また,天理大学の学生たちの創作によるオリジナルの妖怪から,現代の若者たちの身体観を探る試みについても紹介したい.
著者
安井 眞奈美
出版者
京都大学ヒマラヤ研究会
雑誌
ヒマラヤ学誌 : Himalayan Study Monographs (ISSN:09148620)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.61-78, 2000-06-30

目次氏名「安井 真奈美」文化人類学を専攻する筆者は, これまで日本やミクロネシア地域を主なフィールドとして, 出産に関する慣習や人々の考え方の変化を明らかにしながら, 文化変容や「近代化Jについて論じてきた. 今回, ブータン王国を訪れる機会を得, 同じく出産というテーマから, ブータン社会の現状に迫りたいと考えた. 出産に注目することは, ブータンの死生観を明らかにする切り口を得るばかりでなく, ブータンの医療の現状を垣間見ることにもつながる. 本稿では, 筆者の現地調査の成果に基づき, ブータンの伝統的な出産の方法や出産に関する慣習を紹介し, あわせてティンプー総合病院にて出産に立ち会った様子の記述を試みた. 90%以上の女性が自宅で分娩している昨今, 出産環境の改善は最重要課題のーっとみなされているが, それと同時に出産に関する儀礼やさまざまな慣習, 人々の出産観を含めた広い視野での学際的な調査研究が待たれる.
著者
安井 眞奈美 中本 剛二 遠藤 誠之 倉田 誠 松岡 悦子 澤野 美智子 伏見 裕子 木村 正
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究の概要は、現代の妊娠・出産・産後を危機的状況にあると捉え、医療、女性の身体、子供の命といったさまざまな切り口から、妊娠・出産・産後の現状を総合的に解明することである。現状を変えていくための処方箋を提示する、緊急を要した実践・応用人類学の研究と位置づけられる。現代の妊娠・出産・産後の現状をインタビューも含めた文化人類学の参与観察によって解明し、エスノグラフィーを作成する点に特徴がある。
著者
安井 眞奈美
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.259-273, 2014-09

本稿は、筆者が二〇一三年九月に、山口県大島郡周防大島町沖家室島にて譲り受けた一九三〇年代の三枚の古写真を、ハワイ移民関連資料として紹介し、その歴史的な位置付けを行うことを目的としている。 沖家室島からは、近代に数多くの人々が、朝鮮半島や台湾、ハワイへ出稼ぎに向った。特にハワイへの移民の中には、漁業関係の仕事で成功し、財を成したものも少なくはない。彼ら沖家室島出身者たちは、オアフ島ホノルル、ハワイ島ヒロにて、ハワイ沖家室会という同郷会を結成し、協力し合って生活をしていた。また沖家室島では、沖家室惺々会が機関誌『かむろ』を一九一四年に刊行し、一九四〇年までの二十七年間、沖家室島の情報や沖家室島出身の海外在住者の近況を取り上げ、情報を発信し続けた。 本稿で紹介する古写真三枚のうち、一九三〇年に撮影された写真1は、沖家室島出身のハワイ在住者たちが、ワイキキでピクニックをした際の記念写真である。なお本稿の分析により、一九二八年に撮影された同類の写真は、昭和天皇即位大礼記念の記念品としてハワイから沖家室島へ送られたことも明らかとなった。次に写真2は、「ホノルル日本人料理人組合員 大谷松次郎氏 厄払祝宴」と題された料理人たちの写真である。写真3は説明書きはないものの、写真2と同日に撮影されたと考えられることから、ハワイで漁業関連の仕事により大成功を収めた沖家室島出身の大谷松治郎が、一九三一年、四十二歳の厄年に際して、千人以上もの客を招待して盛大に行った祝宴の記念写真と推定できる。 これらの古写真は、近代におけるハワイ移民の生活、同郷者との協力と親睦、故郷とのつながりを具体的に示す貴重な写真である。また本稿の分析により、故郷・沖家室島へのハワイでの記念写真の寄贈が明らかとなったことから、これらの写真はハワイ在住者の故郷観を示す資料としても位置付けられるだろう。 最後に本稿では、貴重な歴史遺産である古写真を、地域で保存活用する方法についても検討した。今後も引き続き沖家室の人々と連携しながら、地域の歴史遺産の展示と活用について具体的な方法を模索していきたい。
著者
小松 和彦 徳田 和夫 ADAM Kabat 佐々木 高弘 横山 泰子 安井 眞奈美 常光 徹 山田 奨治
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003

四年計画の研究は、以下のテーマにしたがって展開され、成果がまとめられた。1.「怪異・妖怪伝承データベース」を活用した怪異関係記録の数量的分析手法の開発:すでに公開されている民俗学雑誌記事をもとにしたデータベースを利用し、信仰や心意現象に関するデータの計量分析手法の開発と研究をおこなった。四年間の調査・研究実績は、研究代表者・研究分担者がそれぞれ論文を執筆し、報告書(冊子体)にまとめた。2.怪異関係記録の収集および分類・整理:『日本伝説体系』全17巻(みずうみ書房1982-90)、および日本全国の都道府県史(民俗編に該当するもの)などを対象に、各地域に根付いた持続性のある「伝説」を中心とした怪異・妖怪伝承についてのデータを集積した。集積方法については、すでに公開されている「怪異・妖怪伝承データベース」作成時のマニュアルを参考にして都道府県史専用マニュアルを作成、それに従って作業を進めた。なお、都道府県史(民俗編)については合計6625件の事例を収集し、カードを作成した。3.妖怪・怪異関係典籍の収集:各地域・各時代の妖怪・怪異関係典籍を中心に発掘及び収集を行った。絵画資料については、二次資料(妖怪展などの図録資料)、一次資料(絵巻物・浮世絵・黄表紙などの現物)を対象として収集を行った。4.絵画資料データベースの試作版作成:日文研所蔵の妖怪・怪異に関する絵画資料をデジタルデータとして保存し、その画像についての書誌情報のデータベース構築をめざし、研究・開発を行った。
著者
安井 眞奈美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.11, pp.1-4, 2014-07-26

本発表では,国際日本文化研究センターの 「怪異・妖怪伝承データベース」 (http://www.nichibun.ac.jp/YoukaiDB/) に所収されている怪異に関する膨大なデータの中から身体に関するものを集め,各身体部位に分けて分析を試みる.それを踏まえ,妖怪・怪異に狙われやすい身体部位を紹介し,そこにどのような身体観が表現されているのかを明らかにしたい.また,天理大学の学生たちの創作によるオリジナルの妖怪から,現代の若者たちの身体観を探る試みについても紹介したい.This presentation aims to select data regarding the body from the huge database on "Folktales of strange phenomena and yokai (ghosts, monsters, spirits)" (http://www.nichibun.ac.jp/YoukaiDB/) maintained by the International Research Center for Japanese Studies, and to conduct analyses for each part of body. Based on the results, those body parts thought vulnerable to attack from yokai will be identified, and from this the author seeks to clarify the notion of the body being expressed in folklore. Also, an attempt to understand notions of the body among the younger generation will be introduced using original images of yokai created by students at Tenri University.
著者
山本 真鳥 棚橋 訓 豊田 由貴夫 船曳 健夫 安井 眞奈美 橋本 裕之
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

・研究実施計画は、平成11年度については、若干の変更の後に、ほぼ予定通りに遂行された。平成12年度は、日程調整を行い、調査の足りない部分を補いながら全体の計画が遂行された。・芸術祭の事前に各国を訪れることによって、準備状況を観察し、また異なるジャンルの芸術の全体的な存在様式を観察することができた。・ポリネシアでは、「伝統」芸術の様態が観光と深く関わる部分がある一方、人々にとってそれらはアイデンティティに関わるものとして、社会生活のなかでも大きな意味をもつ。しかし、それぞれの社会で細部の事情は異なる。・パプアニューギニアでは、もともときわめて多様なエスニック文化が存在するなかで、それら伝統文化を織り交ぜながら、新しいアイデンティティのよりどころとなる「伝統の創造」が生じている。ダンスのみならず、多様な芸術の分野でも、ニューギニアらしさを出しながら、しかも特定の部族に直結しない芸術の創造が好まれる。・ミクロネシアは、芸術祭では後発のパフォーマーであり、ダンスの演技が観光と必ずしも結びついていない。その意味で、伝統的なダンスとは何か、伝統的な芸術とは何か、それらを芸術祭でいかに見せるかを、現在追究している段階である。・各国の芸術祭のリプリゼンテーション、つまり送り込む代表団をどのように選定するか、それら代表団がいかなる演技を見せるか、ということは、それぞれの国の国内事情や文化状況、国家としての様態などとさまざまな絡まり方をしていることが解釈できる。それらを明らかにするのは、個別社会の事情に通じた研究である。既に明らかになったことは、研究成果報告書のなかで論じている。・さらに芸術祭を主催すること自体が、それぞれの国の国内事情や文化状況と深く関わっている。それらが、個々の芸術祭のあり方を規定する大きな要因である。ニューカレドニアの第8回芸術祭に関していえば、フランスからの独立の可能性の生じてきている今、カナク文化をニューカレドニアのアイデンティティの正面に据えることは、先住民であるカナクにとって大きな意味を持っていた。
著者
安井 眞奈美 飯島 吉晴 齊藤 純 柿本 雅美 高橋 大樹
出版者
天理大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、近代における出産・育児の変容を明らかにするため、「奈良県風俗誌」と呼ばれる大正4年(1915)に編纂された史料の出産・育児に関する記述を翻刻し、分析を行なった。この史料は、奈良県教育会によって大正天皇即位大礼記念事業の一つとして実施された、民俗調査の膨大な報告書群である(未刊行)。本研究では、明治期から大正期にかけて、出産・育児習俗がいかに変容したのかを明らかにし、当時の出産観や子ども観についても考察した。