著者
工藤 哲三 横山 朝明 小玉 誠 水谷 政美 今野 次雄
出版者
宮崎県工業技術センター
雑誌
宮城教育大学紀要 (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.159-163, 2010
被引用文献数
2

甘藷製焼酎粕をデカンターによる固液分離後、液部を中空糸膜を使用して得られる無菌ろ液を焼酎の仕込み水として繰り返し再利用していく発酵試験を行った。5回までの再利用において、対照区(通常の仕込方法)と同等かそれ以上のエタノール収量が得られた。ろ液は、再使用回数が増えるにつれ、酵母増殖における誘導期の延長や増殖速度の低下が観察された。
著者
松浦 靖 水谷 政美 柏田 雅徳
出版者
宮崎県工業技術センター
雑誌
研究報告 (ISSN:13455974)
巻号頁・発行日
no.51, pp.83-86, 2006

当県の特産品であるちりめんの加工プロセスから排出される大量の煮汁には,タウリンなどの機能性成分やグルタミン酸,核酸関連化合物等の呈味成分が含まれている。特に,ちりめん煮汁中の遊離アミノ酸を分析したところ,約49%がタウリンであることが分かった。そこで,イオン交換樹脂を用いたちりめん煮汁からのタウリン回収について検討した。未処理の煮汁と電気透析装置により脱塩した煮汁を強塩基性陰イオン交換樹脂に通液することによりタウリンがそれぞれ,1.03mg/mL-resin,2.04mg/mL-resin吸着されることが分かった。
著者
山本 英樹 工藤 哲三 水谷 政美 高山 清子 柏田 雅徳
出版者
宮崎県工業技術センター
雑誌
研究報告 (ISSN:13455974)
巻号頁・発行日
no.50, pp.113-116, 2005
被引用文献数
1

焼酎もろみから分離収集し当センターに保存している200株余りの野生酵母より,フラスコスケールの全麹発酵試験において,アルコール生産性が高く,もろみの香気成分が良好な酵母を選抜した。このうち7種類の選抜酵母を使用して甘藷焼酎の小仕込試験を行った。対照として宮崎酵母(MK021)を使用した。選抜酵母を使用したもろみは,アルコール分および純アルコール収得量がMK021よりも高く,実用性の高い酵母であることが示唆された。甘藷焼酎の香気成分については,選抜酵母がMK021に比較してn-プロピルアルコール生成量が少なく,i-ブチルアルコール生成量がやや多いなどの違いがあることが分かった。また選抜酵母の焼酎の酒質は,芋らしさや甘みが強い,まろやか,キレがある,香りが華やかであるなどの特徴があることが分かった。これらの選抜酵母は,焼酎製造における新たな実用菌株として期待されている。
著者
水谷 政美 山本 英樹 工藤 哲三
出版者
宮崎県工業技術センター
雑誌
研究報告 = Report of Miyazaki Prefecture Industrial Technology Center & Miyazaki Prefectural Food & R&D Center (ISSN:13455974)
巻号頁・発行日
no.52, pp.85-87, 2009-01 (Released:2011-03-05)

芋焼酎には、麦焼酎や米焼酎と比較して多くのメタノールが含まれていた。メタノールは、もろみ中でエタノールと同様に時間とともに増加し、蒸留においてもエタノールと同様の留出挙動を示し、分離除去することは困難であると考えられた。そこで、酵母添加前の芋焼酎一次もろみを加熱処理したところ、エタノール収率や香気成分量等に影響せずにメタノール生成量を削減できると考えられた。