- 著者
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土屋 紀子
- 出版者
- 山梨大学看護学会
- 雑誌
- 山梨大学看護学会誌 (ISSN:13477714)
- 巻号頁・発行日
- vol.4, no.1, pp.9-14, 2005
クランベリージュースが最近のスーパーマーケットの店頭に出ている。最近になって女性によい飲み物,尿路感染症(UTIs;Urinary Tract Infections)に効果があるなどの内容が記されている。このクランベリージュースは,かつて北米原住民の伝統的に愛用された生薬である。近年になって,日常の健康維持,生活習慣病予防に期待できる飲用水や産物であると科学的な検証をもって注目されてきたので文献研究手法にて分析評価した。その結果,以下のことが明らかになった。その1.尿路感染症予防の効果として,従来はキナ酸による弱酸性化の促進作用のみを強調されてきたが,近年の研究ではクランベリーの豊富なポリフェノール系含有量によって多様な抗酸化作用抑制効用が検証されていること。その2.このことが健康増進,疾病予防効果として尿路感染症の他に生活習慣病予防食品として期待されていること。その3.代替治療を求めて多様な機関で研究は進められているが,未だに研究デザインや研究プロセスにバイアス問題を払拭されていない研究課題に直面していること。また,副作用としての事例は腎結石形成,出血傾向の事例やストーマ関連では弱アルカリ性化微弱など代替役割を明確に期待できないことなどの課題を残している。