著者
Alex M. Clark Antony J. Williams Sean Ekins
出版者
情報計算化学生物学会
雑誌
Chem-Bio Informatics Journal (ISSN:13476297)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.1-18, 2013-01-09 (Released:2013-01-09)
参考文献数
65
被引用文献数
6 7

We are perhaps at a turning point for making cheminformatics accessible to scientists who are not computational chemists. The proliferation of mobile devices has seen the development of software or ‘apps' that can be used for sophisticated chemistry workflows. These apps can offer capabilities to the practicing chemist that are approaching those of conventional desktop-based software, whereby each app focuses on a relatively small range of tasks. Mobile apps that can pull in and integrate public content from many sources relating to molecules and data are also being developed. Apps for drug discovery are already evolving rapidly and are able to communicate with each other to create composite workflows of increasing complexity, enabling informatics aspects of drug discovery (i. e. accessing data, modeling and visualization) to be done anywhere by potentially anyone. We will describe how these cheminformatics apps can be used productively and some of the future opportunities that we envision.
著者
齊藤 奈英 多田 幸雄 岡部 隆義 長野 哲雄
出版者
情報計算化学生物学会
雑誌
Chem-Bio Informatics Journal (ISSN:13476297)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.34-37, 2017-04-08 (Released:2017-04-08)
参考文献数
11

偽性低アルドステロンII型は、常染色体優性遺伝疾患であり非常に稀な家族性高血圧症である。これは、WNK1 [with no K (lysine) protein kinase-1]あるいはWNK4の機能亢進に起因するとされている。これらのWNKは、多くのキナーゼに存在するβ3 strandのリジン残基がシステインに置き換わっており、また、ATP結合サイトのすぐ後ろにバックポケットがあるという特徴的な構造をしている。したがって、この特徴的なバックポケット及び活性に重要な役割を果たしていることも知られているグリシンリッチループにあるリジン残基(WNK1のLys233)と相互作用する化合物は、WNK1及びWNK4の選択的阻害剤であることが予測される。本研究では、フラグメントライブラリー化合物及び競合結合アッセイを用いて、ヒンジ領域ではなく、バックポケットと選択的に相互作用する化合物を選択した。得られた化合物は、1,3-イソキノリンジオールと4-メチル1,3-イソキノリンジオールであった。これらの化合物にプロトンドナーとなる置換基を導入すると、Leu369 (WNK1) に水素結合し、WNK1及びWNK4に対する選択的な阻害剤を得るためのシード化合物となると予想される。
著者
齊藤 奈英 多田 幸雄 岡部 隆義 長野 哲雄
出版者
情報計算化学生物学会
雑誌
Chem-Bio Informatics Journal (ISSN:13476297)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.30-33, 2017-03-30 (Released:2017-03-30)
参考文献数
9

偽性低アルドステロンII型は、WNK1 [with no K (lysine) protein kinase-1]あるいはWNK4に起因する非常に稀な常染色体優性遺伝疾患として知られている。これらのセリン-スレオニンキナーゼは、ATP結合サイトのすぐ後ろにバックポケットがあるという特徴的な構造をしている。さらに、グリシンリッチループにあるリジン残基(WNK1のLys233)は、活性に重要な役割を果たしていることも知られている。本研究において、我々は、WNK特異的阻害剤を創成するためのリード候補化合物を探索するため、WNK1のバックポケットと約9000化合物のフラグメントライブラリーとのドッキングシミュレーションを実施した。我々は、結合スコアに基づいてバックポケットと相互作用してヒンジ領域とは相互作用しないリード構造として、β-テトラロン(化合物5)を選択した。次に、バックポケットとβ-テトラロンとの予測できる4つのドッキングパターンに基づいて、Lys233と水素結合を形成することが予測される4つの誘導体化合物A-Dをデザインした。これらの誘導体化合物は、ドッキングシミュレーションにおいてLys233と選択的に相互作用することが示され、選択的なWNK阻害剤を開発するための潜在的リード化合物であると考えられる。
著者
佐藤 敦子 幸 瞳 渡邉 千鶴 齋藤 純一 小長谷 明彦 本間 光貴
出版者
情報計算化学生物学会
雑誌
Chem-Bio Informatics Journal (ISSN:13476297)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.38-52, 2017-05-31 (Released:2017-05-31)
参考文献数
36

CYP群により薬物が代謝されることによる薬効の減弱、薬物間相互作用は創薬研究における重要な課題であり、中でもCYP3A4は医薬品代謝への寄与が最も大きい。代謝不安定性の改善に対しては、一般的に脂溶性の低減や代謝部位の変換などが行われるが、求める薬効との両立が難しく、また代謝部位や結合様式を実験的に決定するには大きな労力が必要となる。そのため創薬現場では、薬効を維持しながら代謝を回避し得る効率的な薬物設計と、予測による低コスト化が求められている。CYP3A4は様々な化学構造をもつ化合物を代謝することから、結合ポケットは非常に大きく、その形状も柔軟に変化し、化合物との結合様式予測は非常に難しい。我々はカルバマゼピン (CBZ) を題材とした先行研究において、ドッキング計算から得た複数の結合ポーズを初期構造とした分子動力学 (MD) 計算を組み合わせた代謝部位予測方法を検討した。本手法では、化合物とCYP3A4との結合自由エネルギー値と、化合物の各炭素原子のヘム鉄への近づきやすさから、代謝部位を予測している。さらに、この手法がより柔軟な構造を有する化合物にも適用可能か確かめることを目的とし、トルテロジンを題材とした代謝部位予測を試みた。この研究では、化合物ドッキングポーズからのMD初期構造選択の際にProtein Ligand Interaction Fingerprint (PLIF) とRMSDの2種類のクラスタリング手法を用い、効率的な初期構造選択方法と予測結合様式からの代謝安定化デザインについて議論する。
著者
石原 司 森 健一 宗像 亮介 森友 紋子
出版者
情報計算化学生物学会
雑誌
Chem-Bio Informatics Journal (ISSN:13476297)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.1-18, 2017-03-04 (Released:2017-03-04)
参考文献数
40

本報告では、構造活性相関 (SAR) データベースからのSAR転移、ならびに、引き続く構造推薦に基づく新規医薬候補化合物設計手法について述べる。本法は、1)SAR探索中の化合物群ならびに参照SARデータベースからのMatched Molecular Series (MMS)解析、2)化合物骨格及びSAR類似性に基づく類縁MMSの解析、そして、3)新規化合物の構造発生と協調フィルタリングに基づく活性推算の三段階にて構成される。第二段階では、ネットワーク解析に基づき、直接的あるいは潜在的な類縁MMSの検出が可能となる。本法を血液凝固活性化第十因子阻害剤探索に遡及適用した結果、常法的な定量的構造活性相関手法と比較し、高い精度で化合物活性を推算することが示された。更に、本法により、タンパク-リガンド複合体の構造情報を用いず、SAR情報のみを基に、指定するリガンドの部分構造に代替して同一のタンパクポケット領域を占有する部分構造が推薦されることが示された。