著者
石原 直
出版者
東北福祉大学教職課程支援室
雑誌
教職研究
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.1-16, 2022-03-31

小学校算数科の内容は、量を根底としたものになっている。6歳という年齢から12歳までの児童にとって、日常生活に根差した内容は、理解しやすいといえる。しかし、本来数には量はない。数字の内容を見ればそれは明らかである。「数は量の抽象」という考え方と「数は量の比」という考え方を対比することで、算数科の学習を容易にできるかを考察する。
著者
下山 忍
出版者
東北福祉大学教職課程支援室
雑誌
教職研究
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.151-162, 2018-03-31

地理歴史科の教材としてよく知られている「夷酋列像」は、日本近世の「四つの口」における対外交流や、国際環境の変化を踏まえた近世後期の政治状況を考察させるための資料として活用されている。本稿では、この「夷酋列像」を本学所蔵の「アイヌ人物屏風」と比較することでさらに深い読み取りを行い、高等学校学習指導要領「歴史の説明」の実践例として示した。
著者
地理ゼミ生 三浦 駿平 川畑 維吹 斎藤 優史 前園 太一 松田 信太朗 小島 隼 熊谷 暦太 高木 大成 高橋 航大 星 穣司 安藤 希 大内 星李 亀谷 伶央 佐藤 豪 浅川 俊夫
出版者
東北福祉大学教職課程支援室
雑誌
教職研究
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.45-61, 2020-03-31

「地誌」授業で、2016年度から世界の10か国及び日本の10都県の位置について、受講生がどの程度認識しているか調査してきた結果を、①高校での地理科目履修状況との関係、②正答率の経年変化、③誤答の傾向に分けて分析・考察した。①では、世界の地理認識について正答率が低い国で地理科目履修者の正答率が未履修者を上回る傾向がみられる。②では、変化パターンから、調査した10か国は、正答率が上昇傾向、低下傾向、調査年により上昇・低下、ほぼ一定の4グループに、10都県は、上昇傾向、調査年により上昇・低下、ほぼ一定の3グループに分けられる。③では、世界の地理認識について、正答の国に近接またはその国が属する地域の国を誤答、名称の似た地域・国を誤答、全く別の地域の国を誤答という三つの誤答パターンが、日本の地理認識については、隣接または正答の県が含まれる地方の県を誤答、全く別地方の県を誤答という二つの誤答パターンが認められる。
著者
浅川 俊夫
出版者
東北福祉大学教職課程支援室
雑誌
教職研究
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.35-44, 2020-03-31

仙台市街地北西に位置する東北福祉大学朴木山キャンパスは、七北田丘陵の一端を占め、かつての雑木林を利用した自然体験総合施設である。地理ゼミでは、2017年度から、そこに3か所の調査プロットを設定し、これまで、簡易地形測量や気象観測、植生調査、土壌調査を続けている。
著者
朝倉 充彦
出版者
東北福祉大学教職課程支援室
雑誌
教職研究
巻号頁・発行日
no.2018, pp.1-11, 2019-03-31

2011年の滋賀県大津市の中学生いじめ自死事件を契機に,いじめ問題への国の取り組みは,いじめ防止対策推進法の制定,いじめ防止のための道徳教育の充実,その具体化としての道徳科の設置,および検定教科書の作成使用というようにすすめられてきた。そして,いじめ問題を主題とする道徳の授業では,弱さを克服しいじめや不正を許さない強い正義感を持つことをねらいとすることが期待されている。文部科学省が作成したいじめ問題を扱った教材「卒業文集最後の二行」を活用した授業では,いじめの被害者加害者の立場について考えることを通して,いじめを止めさせる仲裁者の出現を目指す。しかし,それは容易なことではない。むしろ仲裁を躊躇う弱さを恥じるのではなく,生徒皆が弱さを共有していることを認識し,集団の力でいじめに対峙していくことこそが今求められている。