著者
井田 仁康 吉田 和義 平澤 香 浅川 俊夫
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.3-10, 2012 (Released:2012-04-09)
参考文献数
11
被引用文献数
1

わが国の地理教育の現状を小学校,中学校,高等学校といった学校種からみると,以下のように整理できる.小学校では,身近な地域が主として学習され,地球儀や地図の学習も重視されているが,世界地理の位置付けが十分でない.中学校では,日本と世界の地理学習が主となっている.他方でスキルの習得も目指されるが,どのようなプロセスでスキルを習得させるのかが示されていない.高等学校では,必修である世界史を履修する生徒の約半数が地理を履修するにすぎない.学習活動としては,知識の獲得だけでなく,課題を見出していこうとする探究活動も含もうと試みられている.このような現状を踏まえて,小学校から高等学校までの学習内容の配置,スキルの段階的習得の提示,教員の研修などが課題としてみえてくる.
著者
地理ゼミ生 三浦 駿平 川畑 維吹 斎藤 優史 前園 太一 松田 信太朗 小島 隼 熊谷 暦太 高木 大成 高橋 航大 星 穣司 安藤 希 大内 星李 亀谷 伶央 佐藤 豪 浅川 俊夫
出版者
東北福祉大学教職課程支援室
雑誌
教職研究
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.45-61, 2020-03-31

「地誌」授業で、2016年度から世界の10か国及び日本の10都県の位置について、受講生がどの程度認識しているか調査してきた結果を、①高校での地理科目履修状況との関係、②正答率の経年変化、③誤答の傾向に分けて分析・考察した。①では、世界の地理認識について正答率が低い国で地理科目履修者の正答率が未履修者を上回る傾向がみられる。②では、変化パターンから、調査した10か国は、正答率が上昇傾向、低下傾向、調査年により上昇・低下、ほぼ一定の4グループに、10都県は、上昇傾向、調査年により上昇・低下、ほぼ一定の3グループに分けられる。③では、世界の地理認識について、正答の国に近接またはその国が属する地域の国を誤答、名称の似た地域・国を誤答、全く別の地域の国を誤答という三つの誤答パターンが、日本の地理認識については、隣接または正答の県が含まれる地方の県を誤答、全く別地方の県を誤答という二つの誤答パターンが認められる。
著者
浅川 俊夫
出版者
東北福祉大学教職課程支援室
雑誌
教職研究
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.35-44, 2020-03-31

仙台市街地北西に位置する東北福祉大学朴木山キャンパスは、七北田丘陵の一端を占め、かつての雑木林を利用した自然体験総合施設である。地理ゼミでは、2017年度から、そこに3か所の調査プロットを設定し、これまで、簡易地形測量や気象観測、植生調査、土壌調査を続けている。