著者
吉田 唯
出版者
東大阪大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2020-09-11

神代文字は、江戸時代から近現代まで一部の信奉者によって古代の文字(漢字伝来以前の日本固有の文字)であると信じられており、神代文字に関する書籍についても、非学術的なものが大半を占める。本研究課題は、近世の偽作である神代文字資料に着目することで近世以降の学問史、宗教史、あるいは政治史のなかで神代文字を捉え直し、それが昭和戦時期に興隆を見せた思想的背景を明らかにすることを目的としている。
著者
古岡 眞知子
出版者
東大阪大学
雑誌
東大阪大学・東大阪大学短期大学部教育研究紀要 (ISSN:13485636)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.29-35, 2005-03-15

子育て文化は、その時代の社会状況や生活様式、文化の中で、おとなが子どもをどう位置づけていくのかということにより異なってくる、産業革新が進み、消費拡大が流行を生み出す現代社会では、子どもを取り巻く環境、家族、家庭のあり方等、子育てをめぐる事象は非常に深刻な問題となってあらわれている。本稿では、近世から近代にかけての日本における子育ての習俗から見た子ども観をさぐる。まず、日本社会に古くから用いられている「子宝」の意味について、さらに、間引きと子育て、子育ての儀式から見た子ども観について、それぞれ、その時の社会状況と照らし考察した。さらに、明治期の社会情勢をふまえたうえでの「しつけと家庭教育]を概観し、そのころの子ども観をさぐった、 これらを通し、その時代の親やおとなたちがどのような心構えを持ち、あるいは、願いをもって人間の誕生を受け止め子どもを育ててきたのか、そして、そこには「種の持続」と「自己保存]の意識が、どのような位置づけと意味をもっていたのかを考察しながら、日本風土の中にみる子育て文化における子ども観を見いだした。
著者
上田 庄一 野々村 宜博 西山 健 吉岡 眞知子 高橋 十九朗
出版者
東大阪大学
雑誌
東大阪大学・東大阪大学短期大学部教育研究紀要 (ISSN:13485636)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-12, 2005-03-15

最近、青少年の凶悪事件が多発している、特に、問題行動の低年齢化と凶悪化か顕著になっている、この論文は小学校6年生による同級生殺人事件を端緒として,現代の子ども達の問題行動の背景に何があるのか、また健全育成を阻害する要因は何なのかを、最近の知見をもとにいくつかの視点から論じた。
著者
浅井 千佐子
出版者
東大阪大学
雑誌
東大阪大学・東大阪大学短期大学部教育研究紀要 (ISSN:13485636)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.105-108, 2007-03-15
被引用文献数
1

本学の学生を対象に朝食習慣の実態調査を行った。現状の把握と学生へ望ましい食習慣への啓発及び学生指導の指標となる資料提供、ならびに今後の授業展開の課題設定を目的とした。朝食の欠食習慣について週に1回以上欠食すると答えた学生は1年次生30%、2年次生50%で、ほとんど食べないと答えた学生はともに12.2%であった。食べない理由として、1, 2年次生ともに、「時間がない」、「食べる気がしない」、「作るのがめんどう」の順に、また、食べる気がしない理由として、「食欲がない」、「食べることがめんどう」の順に回答している。朝食実態調査の結果、日常における生活リズムが摂取状況に影響を及ぼしていることがうかがえ、学生の生活パターンを考慮した栄養教育が必要であることが示唆された。
著者
上田 庄一
出版者
東大阪大学
雑誌
東大阪大学・東大阪大学短期大学部教育研究紀要 (ISSN:13485636)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.15-22, 2007-03-15

近年児童相談所における児童虐待の相談件数が、顕著に増加してきている。平成17年1月に児童福祉法第10条の改正が行われた。この改正により、市町村においても児童相談の窓口が開かれることとなった。従って児童虐待の相談件数は、児童相談所の相談件数よりもはるかに多くの相談があるものと考えられる。児童虐待に対する、法の整備や、児童相談所の職員の増員等により、虐待対応が充実してきたかに思える。しかしながら、現状では児童虐待により死に至るような悲惨な例が多くみられ、児童相談所の対応がそのたびに問題にされている。児童相談所における相談の状況と児童相談所の児童虐待対応について考えてみたい。
著者
吉岡 眞知子
出版者
東大阪大学
雑誌
東大阪大学・東大阪大学短期大学部教育研究紀要 (ISSN:13485636)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-8, 2006-03-15

明治期の子育て観が、学校教育を通して国家主導型の子育て観へと変質変貌していく過程を明らかにした。明治国家が富国国家を目指し、それを学校教育の目標におき、すべての国民に定着させるためには義務教育制度を導入し、子育ての中心的役割を担う母親を養成するために女子教育に力を入れ、国家方針のもとに子育てをしていくことで、画一的な子育て観が、近代学校教育成立の過程での国民意識の高まりとともに用意されたのである。ここに、日本社会の中での子育て観の転換期を見ることができるのである。さらに、「修身」が位置づけられ、徳育として忠君愛国と儒教的徳目を徹底させるための国家的統制の強化が図られ、道徳と結びついた態度主義教育が民衆支配の道具となっていくのであり、ここにも国家主導型子育て観の成立をみることができるのである。また、近代学校教育制度の成立は、女子教育に力を入れ、そこに求められた教育は、国家発展のための子育ての方法であり、子どもを直接「しつける」というものではなく、学校教育の効果をあげるための方法に価値を求められたのである。このようにして、明治期の子育て観が学校教育を通して国家主導型の子育て観へと変質変貌していく過程と、修身という教科課程の特性と女子教育の強化から、それが子育て観として定着していく過程を明らかにすることができた。
著者
松田 真平
出版者
東大阪大学
雑誌
東大阪大学・東大阪大学短期大学部教育研究紀要 (ISSN:13485636)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.109-110, 2007-03-15

奈良・法隆寺金堂の壁画復元は、従来の日本画による模写法よりも、CGで復元研究する事に意義が深い。模写は息の通った暖かさがある反面、模写する人の心理や主張が反映されるため、若干の不正確さが常につきまとう。CGの魅力は本物が失われた時にも、本物と同じように観賞し調査研究できることであり、オリジナルと同等の価値を持ち得る場合さえある。復元CGを見た画家がそれを模写して、さらに深い研究もできる。