著者
西野 麻知子 大高 明史 池田 実 大和 茂之 川勝 正治 丹羽 信彰 遠山 裕子 WANG Hong-Zhu CUI Yong-De WANG Zhi-Young CHEN Rong-Bin CHEN Rung-Tsung WU Shi-Kuei PONCE Leonrodrigo VOLONTERIO Odile
出版者
滋賀県琵琶湖環境科学研究センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

日本に侵入したと推測されるカワリヌマエビ属を遺伝解析した結果、2つのクレードに分かれた。クレードIは日本在来亜種ミナミヌマエビと分布域が重なったが、クレードIIは日本と中国の両方にみられた。雄の外部形態からも、前者は在来、後者は外来種と判断された。日本の4地点では両クレードが混在し、外来種との交雑による遺伝子撹乱の可能性が示された。聞き取り結果と合わせると、日本のカワリヌマエビ属は中国の華中・華北地域、近年、兵庫県で発見された共生種ヒルミミズは華中地域から導入された可能性が高い。
著者
石川 可奈子
出版者
滋賀県琵琶湖環境科学研究センター
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2007

琵琶湖の植物プランクトン133株を単離培養し、真核生物は18S、原核生物は16S rRNA遺伝子を増幅するためのユニバーサルプライマーを用いてPCRを行い、クローニングの後、塩基配列の全長解析を行った。琵琶湖で主に出現しやすいプランクトン塩基配列のアライメントにより、ターゲットとする18種を特異的に検出するためのプライマーの設計、また、それらを用いた定量的PCR(リアルタイムPCR)を用いた検出を試みたところ、顕微鏡観察で確認された種の検出ができた。また、藍藻類全体をターゲットとしたPCR-DGGE(変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法)を用いて野外湖水の群集構造解析行ったところ、これまで報告のないピコプランクトン種のバンドが多数検出され、今後、分子分類を用いることにより長期のモニタリングだけでなく、プランクトン群集の多様性がより客観性の高い分析手法で明らかになると示唆された。