著者
久保田 均 久永 直見 高橋 幸雄 佐々木 毅
出版者
独立行政法人労働安全衛生総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

建築業従事者の職業性難聴について、三重県建設労働組合の男性組合員を対象に難聴の原因として考えられる各種有害因子へのばく露、或いは複合ばく露との関連を探る目的で調査研究を実施した。また聴覚に関して、従来の質問紙調査による自覚的聴覚と定期健診時の聴力検査結果(客観的聴覚)との関連を明らかにするための調査も行った。騒音ばく露に振動ばく露が加わると難聴発症のリスクが増幅、そこへ有機溶剤ばく露が加わることでリスクは更に増幅することがわかった。一方、難聴自覚症有り群となし群で、健診時聴力検査の有所見率に差があるか否かの検定を行ったところ、難聴自覚症無し群でも客観的聴覚の有所見率が高まる傾向がみられた。
著者
時澤 健
出版者
独立行政法人労働安全衛生総合研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、比較的安価な温度ロガーを用いて、日常生活の支障とならない末梢(手首)の皮膚温を測定することで、児童の生活リズムの評価を試みた。1日の変動は、就床前後にすみやかに上昇し、就寝中に高く、起床後すみやかに低下した。温度ロガーによる起床・就床時刻の算出結果と、行動ロガーによる算出結果に高い相関がみられた。児童を対象とした簡便で安価な生活リズム評価システムを構築できる可能性を示した。
著者
佐々木 哲也 本田 尚 山口 篤志
出版者
独立行政法人労働安全衛生総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

ワイヤロープの疲労破壊はこれまで表面素線が先行すると考えられていたが、IWRCロープでは、内部の素線が先行する場合のあることが明らかになっている。そこで、本研究では各種IWRCロープについてS字曲げ疲労試験を行うとともに、ワイヤロープ素線のフレッティング疲労試験を行った。その結果、フィラー形とウォリントンシール型ではどちらも内部の損傷が先行するが、その損傷形態には大きな違いがあることが明らかになった。またフレッティング疲労には、素線に作用する繰返し引張荷重の大きさよりも素線同士の圧縮力の方が大きな影響を及ぼすことが明らかになった。
著者
高橋 弘樹 大幢 勝利 高梨 成次
出版者
独立行政法人労働安全衛生総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

平成21 年に労働安全衛生規則が改正され、新たに墜落防止用の幅木等を足場に設置することが義務付けられたが、現行の風荷重に対する足場の設計指針は従来の足場を対象としているため、規則改正後の幅木等を設置した足場に対応しているかは不明である。本研究では、風荷重に対する規則改正後の足場の倒壊防止を目的として、規則改正後の幅木等を設置した足場を対象に流体解析と風洞実験を行い、幅木の高さと足場の風力係数の関係について検討した。研究の結果、幅木を設置した単体の足場の風力係数の値は、幅木の高さにほぼ比例することが分かった。更に、これらの結果をもとに、幅木を設置した単体の足場の風力係数の計算方法を提案した。