- 著者
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小谷 二郎
江崎 功二郎
- 出版者
- 石川県林業試験場
- 巻号頁・発行日
- no.42, pp.10-14, 2010 (Released:2011-07-13)
冷温帯のミズナラを主とする二次林で、集団枯損被害が上木の残存状況と林内の稚樹の生育状況に与える影響を調べた。残存木の林相は、ミズナラ優占型、ミズナラ-小高木型、ブナ優占型、小高木型の4つに区分された。区分された林内の稚樹は、ミズナラ優占型とブナ優占型ではブナの密度が高く、ミズナラ-小高木型と小高木型ではミズナラのほかいくつかの高木樹種の密度が高い傾向にあった。ブナ堅果の大豊作年の影響で、大量に実生が発生した林分もみられた。以上のことから、基本的に今後ともミズナラを主とする林分が維持され、中にはブナが優占度を増加させる場合や、一部では多様な樹種構成に変わる場合なども考えられた。