著者
小倉 晃 恩田 裕一 小松 義隆
出版者
石川県農林総合研究センター林業試験場
雑誌
石川県農林総合研究センター林業試験場研究報告 = Bulletin of the Ishikawa Agriculture and Forestry Research Center Forestry Experiment Station (ISSN:21874840)
巻号頁・発行日
no.44, pp.1-17, 2012-04

石川県では平成19年度から「いしかわ森林環境税」を導入し、水源地域を中心に手入れ不足人工林の強度間伐を行い、森林の公益的機能の確保に努めている。そこで、強度間伐による森林の水源涵養機能の回復効果について調査を実施した。調査対象林は石川県内のスギ、アテ(ヒノキアスナロ)人工林で、このうち間伐実施前、強度間伐実施後、目標林(下層植生が豊かで健全な森林)の合計42箇所で、振動ノズル型散水装置を使用して、地表流量や地表流中の土砂濃度を測定した。調査の結果、間伐実施前の手入れ不足人工林の浸透能は、強度間伐をすることによって高まり、流出水中の土砂濃度も減少することがわかった。
著者
小倉 晃 高橋 大輔
出版者
石川県林業試験場
雑誌
石川県林業試験場研究報告 (ISSN:03888150)
巻号頁・発行日
no.38, pp.27-32, 2006-03

石川県鹿島郡中能登町石動山県有林で、ヒノキアスナロ(以下、アテ)人工林の表土浸食の実態および表土浸食防止機能の評価方法開発を行った結果、間伐手遅れのアテ林分では、下層植生が消滅、林床被覆物・表土の流出が起こり、4.6-11.7/ha/yr流出していると推測された。また、立木密度と傾斜からアテ人工林における年間浸食量の予測方法を確立した。さらに、USLE式におけるアテの作物管理係数が明らかになったが、林小班単位でのUSLE式による表土浸食防止機能評価はさらなる検討が必要であった。