著者
阪 彩香 桑原 輝隆
出版者
科学技術政策研究所 科学技術基盤調査研究室
巻号頁・発行日
2012-08-03 (Released:2012-08-08)

研究活動の成果物の一つである科学論文(以下、論文)に着目し、各大学の“個性(強み)”を把握するために、研究に着目した大学のベンチマーキングを行った。本調査は、大きく2つのパートから構成されている。まず個別大学の分野特徴や時系列での変化を把握するために、大学ごとの研究状況シートを作成し、比較を行った。次に、個別大学の相対的な状況を把握するため、日本の大学の中でのポジショニングの分析および各種研究分野における世界と競える強みを持つ大学の分析を行った。
著者
科学技術政策研究所 科学技術基盤調査研究室
出版者
科学技術政策研究所 科学技術基盤調査研究室
巻号頁・発行日
2012-08-09 (Released:2012-08-09)

「科学技術指標」は、我が国の科学技術活動を客観的・定量的データに基づき、体系的に把握 するための基礎資料であり、科学技術活動を「研究開発費」、「研究開発人材」、「高等教育」、「研究開発のアウトプット」、「科学技術とイノベーション」の5つのカテゴリーに分類し、関連する多数の指標で我が国の状況を表している。今回の「科学技術指標2012」では、各国の研究開発費の負担部門から使用部門への資金の流れの図や日本の研究者のうちの博士号取得者の割合といった指標を追加し、充実を図った。 今回の「科学技術指標2012」では、昨年版と比較して様々な指標で変化が見られた。日本の研 究開発費総額は、2008、2009年度に引き続き、2010年度も減少している。日本の研究者数の伸びは近年、停滞しており、また、研究者の新規採用者数については、2010、2011年と連続して減少している。なお、大学院博士課程入学者数は、2002年をピークに減少傾向が続いている。 一方、日本の論文数(2009-2011年の平均)を見ると、「世界の論文の生産への関与度(整数カウ ント法)」では、日本は世界第5位であり、日本の被引用数の高いTop10%補正論文数(2009-2011年の平均)を見ると、「世界のインパクトの高い論文の生産への関与度(整数カウント法)」では、日本は世界第7位である。
著者
神田 由美子 桑原 輝隆
出版者
科学技術政策研究所 科学技術基盤調査研究室
巻号頁・発行日
2011-12 (Released:2012-03-13)

本研究は、大学の個性化、機能分化が求められる状況下で、大学学部教員の研究活動にはどのような変化が起きているのかを考察することを目的としている。そのため、文部科学省が実施した「大学等におけるフルタイム換算データに関する調査(FTE調査)」の個票データを用いて、大学学部教員の活動を、大きく「研究」、「教育」、「社会サービス」、「その他」の4つに分類し、国・公・私立大学別、専門分野別及び論文数シェアによる大学グループ別といった点に着目して分析を試みた。2002年の調査時、全大学学部での研究時間割合は47.5%と職務時間全体の約半分を占めていたが、2008年調査では36.1%と、11.4ポイント減少した。このような研究時間割合の減少は、教育時間、及び社会サービス時間割合の増加によるところが大きい。国立大学や論文数シェアが大きい大学群では、研究時間の減少が抑えられているが、私立大学や論文数シェアが小さい大学群では研究時間の減少が著しくなっている。一方で、教育時間割合の増加は主に私立大学や論文数シェアが小さい大学群で起こっており、社会サービス時間割合の増加は主に公立大学や論文数シェアが中間層にある大学群で起こっている。
著者
阪 彩香 桑原 輝隆
出版者
科学技術政策研究所 科学技術基盤調査研究室
巻号頁・発行日
2011-12 (Released:2012-03-14)

研究活動結果の公表媒体である学術論文(以下、論文)に着目し、我が国の科学研究のベンチマーキングを行った。個別指標(論文数、Top10%補正論文数、被引用数)と、複合指標(論文数に対するTop10%補正論文数の占める度合、相対被引用度)により、日本の状況を分野ごとに、主要国との比較を行った。また、日本については、部門別・組織区分別での分析を加え、日本内部の論文産出構造の時系列変化を明らかにした。その結果、①日本全体の論文数が伸び悩みの状態であること、②日本国内でみると産業の論文数が低下し、論文に関する大学の役割が拡大しているが、国立大学の論文数は伸び悩んでいること、③研究の国際化に伴い世界で国際共著論文が急増しているが、日本はこの変化に充分対応出来ていないという問題点が浮かび上がった。