著者
今堀 洋子
出版者
追手門学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究では、グリーン・サービサイジング(モノを所有するのでなく、その機能を利用する方が、より環境親和度が高いビジネスモデル)に関して、そのサービスを受ける側の立場から、その受容性の検討を行った。また、グリーン・サービサイジングが、いわゆる企業のビジネスモデルとしてだけでなく、それぞれの地域内でモノを循環させるしかけとしての有効性も検証した。更には、グリーン・サービサイジングという考え方を、国内外に情報発信を行った。まず、グリーン・サービサイジングの受容性であるが、2002年から家電をリースで利用しているリースモニター79名に対して、リース期間が終了する直前にアンケートで確認した。家電に限らず日常の暮らしの中で使用するモノを所有するのでなくリースで利用することに関して、ユーザのニーズは高いことが判明した。特に所有しなければ、必要がなくなった時に返却できること、故障の際の安心感などへの共感が多かった。但し、家電など毎日利用するものに関してはこだわり、所有意識が高い人もあり、機能を利用に関しては、意見が分かれた。家電を所有でなく機能利用にシフトしていくには、製品のデザイン時からそのコンセプトを盛り込んでおかなければならない。また、地域資源循環を促進するグリーン・サービサイジングに関しては、長野県飯田市において、ペレットストーブによる農家向け熱供給サービスを具体的な事例として、その事業を実験的に進める中で、可能性・有効性を検証した。熱を供給するというサービスの核に、地域の色々なセクター(森林、工業、農業、市民、自治体など)を結ぶ役割を担うミドルマンの存在が、事業の成功の鍵を握っている。ミドルマンのコーディネートのもと、グリーン・サービサイジング事業を通して、地域の地産地消を促す取り組みが可能である。
著者
松家 裕子 小南 一郎 磯部 祐子
出版者
追手門学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、中国近世以来、今日にいたるまで民間で行われている、歌と語りによる唱導文藝である宝巻(宣巻)*について、実地調査(於浙江省紹興・平湖)と文献調査を行い、これらを総合したものである。個人宅や廟(神社の類)で行われる宗教的儀式に立ち会い、そのテキストを読み解くことによって、唱導文藝の担い手の性格-宗教者として、また芸能者としての-や、儀式における信仰の実相とテキストの内の信仰との関係-整合するとはかぎらない-など、中国文化史全体の問題にかかわる重要なことがらについて、いくつかの考えを提出した。*テキストとしてみるときには「宝巻」、パフォーマンスとしてみるときには「宣巻」を用いる。
著者
金川 智惠
出版者
追手門学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は、自己概念を対人的・文化的・時間的文脈の3点から総合的に検討することであった。study1では「主語」の様態が自己概念の状況即応的組織化に及ぼす影響を検討し、状況即応性の程度は主語の様態によること、study2では自己概念の状況即応的組織化の対人状況における適応的機能を検討し、(1)肯定的な自己側面へのアクセスが求められる状況と否定的な自己側面へのアクセスが要求される場合では、同じ個人であっても情動反応が異なり、(2)後者は前者に比べて自己評価が低く、またうつ気分等の否定的情動が支配的になること、しかしこの後肯定的な自己側面へのアクセス強化をすると、自己評価や肯定的情動が再度高まること、study3では、自己概念の組織化における時間経過の影響を検討し、自己概念の組織化は時間経過より状況の影響をより強く受けることを見出した。以上の結果、特に、Study2とstudy3の結果は、否定的感情が喚起された場合、その制御に自己概念の肯定的側面・要素へのアクセスを強化することが効果的であることを示しており、将来的には企業現場での予防的メンタルヘルスの実現への一助になると考えられる。
著者
橋本 圭司
出版者
追手門学院大学
雑誌
追手門経済論集 (ISSN:02883783)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.180-192, 2009-03

Unemployment / Education / Bachelor's Degree / Labor Participation Rate / United States