著者
村下 訓
出版者
関西外国語大学
雑誌
研究論集 (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
vol.91, pp.165-183, 2010-03

本稿では、因果論的な説明の論理や行為論的な記述の論理に基づくマーケティング事象の観察・記述において、何が見落とされることになるかを問うことができる地点から、マーケティング・プロセス、すなわち時間を生み出しつつマーケティングの現実を自己組織的に生成し続ける過程を観察・記述するための手がかりを原理論的に探究する。 突破口を開く論点は、議論されるべき前提を議論に先立って前提してしまう理論負荷の問題である。理論負荷されて多様に立ち現れる構造に対して、その構造を生み出す生成の過程はいかにして記述可能となるか。先行するニクラス・ルーマンの社会学的洞察を参照しつつ、この問いに答える記述論理の方法論的可能性を提示する。なお、本稿で探究される観察視点と記述論理の適用が開くマーケティング事象の描像については、稿を改めて議論されることになる。
著者
品川 恭子
出版者
関西外国語大学
雑誌
関西外国語大学留学生別科日本語教育論集
巻号頁・発行日
vol.17, pp.113-129, 2007

カリフォルニア大学サンタバーバラの日本語プログラムでは、日本語学習歴のある学生に毎学期プレースメントテストを実施している。しかし、過去いろいろな問題点があり、今年度秋学期よりSPOT.をプレースメントテストの要として試用することになった。それに先立ち、春学期の終わりに日本語のクラスの学生を対象にSPOT.を実施した。本稿では、まず、現行のプレースメントテストの問題点、SPOT.試用に至った過程報告をする。続けて、現学生に実施したSPOT.の結果から見えてきた当日本語プログラムでの学生の到達度に関する考察を報告する。