著者
石井 淳蔵 嶋口 充輝 栗木 契 西川 英彦 松井 剛 村下 訓 水越 康介 岸谷 和広 清水 信年 宮内 美穂 金 雲鎬 棚橋 豪 小田部 正明 山本 奈央 吉田 満梨
出版者
流通科学大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究では、マーケティング競争下におけるデザイン戦略の重要性について、近年注目されつつある「ロバストデザイン」を核概念として、理論的・歴史的・実証的な研究が実施された。その主要な研究成果として、デザイン概念についての再構築が行われるとともに、競争優位性をもつデザイン戦略の現実と意義、そしてその背景としてのマーケティング競争のメカニズムが明らかにされた。
著者
村下 訓
出版者
関西外国語大学
雑誌
研究論集 (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
vol.91, pp.165-183, 2010-03

本稿では、因果論的な説明の論理や行為論的な記述の論理に基づくマーケティング事象の観察・記述において、何が見落とされることになるかを問うことができる地点から、マーケティング・プロセス、すなわち時間を生み出しつつマーケティングの現実を自己組織的に生成し続ける過程を観察・記述するための手がかりを原理論的に探究する。 突破口を開く論点は、議論されるべき前提を議論に先立って前提してしまう理論負荷の問題である。理論負荷されて多様に立ち現れる構造に対して、その構造を生み出す生成の過程はいかにして記述可能となるか。先行するニクラス・ルーマンの社会学的洞察を参照しつつ、この問いに答える記述論理の方法論的可能性を提示する。なお、本稿で探究される観察視点と記述論理の適用が開くマーケティング事象の描像については、稿を改めて議論されることになる。