- 著者
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原田 保
- 出版者
- Japan Management Diagnosis Association
- 雑誌
- 日本経営診断学会論集 (ISSN:18834930)
- 巻号頁・発行日
- vol.7, pp.3-14, 2007
昨今,流通業の競争戦略は熾烈であるが,それでも次から次へと新たな覇権企業が立ち現われてきた。そうなると,最初は辺境から生まれた,まさに取るに足らないような企業がいかにして短期間で業界のヘゲモニーを確立できるのか,という疑問が湧いてくる。そして,これに応えるべき解が本稿で示される「コンテクスト・ドリブン・ビジネスモデル」に見出される,ということが著者の主張である。 なお,著者はかねがねビジネスモデルとはコンテンツ(提供内容)とコンテクスト(提供方法)からなるものと考えているが,後者のコンテクストとはコンテンツが保持する潜在的価値を顕在化するための,あるいは価値を増大するための装置である,ということにその戦略性が見出されるのである。このある種の装置としてのコンテクストの優位性によって成功した企業が,すなわち,そのポジションを「辺境」から「中心」に転換した代表例が「ファースト・リテイリング」「良品計画」「デル」「吉野家」「ディズニーランド(拠点名)」である,と考えることができる。