著者
筒井 泉
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.69, no.12, pp.836-844, 2014-12-05 (Released:2018-09-30)
被引用文献数
1

ベル不等式とベル定理の物理的な意義について,その歴史的背景と今日における影響を含めて解説する.EPR論文で提示されたアインシュタインの量子論に対する懐疑的立場は,ベルによって局所実在性を持つ隠れた変数の理論として体現されて,実験的にその可否が検証可能な形となった.それが2者間の相関に関するベル不等式であり,これまで数多くの検証実験が行われてきたが,本稿ではこれらの実験に共通する問題点と近年の展開を概観し,その物理的意味を吟味する.実験的に明らかとなったベル不等式の破れは,物理量の実在性がアインシュタインが想定したような局所的なものではなく,非局所的にも測定の状況(文脈)に依存するものであることを示唆している.

言及状況

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>今の科学力では観測できない事象によって、ランダムに思えているだけ >なにか作用して、法則に則っているんだけど、観測できないから、ランダムに見えている 微視的世界におけるこの問題については、現在まで実験による検証が進められていますが、「何らかの観測できない事象が現象を決定しているのではなく、元から本当にランダムなのだ」という説が有力な状況です。 ネット上では、これについて解説している資料 ...

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@qu_charge @ATrivialStream なんか混乱してきたので筒井先生が書いたこれを読み直して落ち着くこととします... https://t.co/VhkBKh77NU
面白いなあ。 筒井 泉「ベル不等式: その物理的意義と近年の展開」 https://t.co/bMjkkVg0LR
今夜、夢の世界に持っていく予定のベルの不等式の解説記事。 一度通しで読んだけど、頭の整理に役立ちそう。 https://t.co/IffHQcZUBE
ノーベル物理学賞、おそらくこの解説がいちばん分かりやすい。……分かるとは言っていない( ゚ω゚;) J-STAGE Articles - ベル不等式 : その物理的意義と近年の展開(〈小特集〉量子もつれ) https://t.co/rDmmTLsghP *リンク先からPDFで全ページダウンロードできます!
小特集のなかでオススメの記事はなんといっても筒井先生による「ベル不等式 : その物理的意義と近年の展開」でしょう。非常にわかりやすく書かれていますし、実験検証の方法についても詳しく書かれています。 https://t.co/OZ3roIwhsG
ベル不等式 :その物理的意義と近年の展開 - J-Stage (PDF) https://t.co/M63ws5n0af

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編集者: Maulits
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