著者
平尾 良光
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2012年度日本地球化学会第59回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.327, 2012 (Released:2012-09-01)

1533年に灰吹き法という鉛を用いる銀製錬法が導入され、また1543年に火縄銃という武器がもたらされた。この2つの事実に共通する材料は鉛である。そこで、戦国時代に利用された鉛の産地を明らかにするために、発掘資料の中から、一般資料(分銅、キセル、簪など)やキリスト教用品、各地の戦跡から鉛玉などを得て、鉛同位体比を測定した。その結果、少なくともその40%は中国や東南アジア産などの外国産鉛であった。タイにおける現地調査で東南アジア産の鉛はタイ国カンチャナブリ県のソントー鉱山産(バンコクから北西約250km)であることが判明した。佐渡金銀鉱山や石見銀鉱山で利用された鉛は日本産材料であり、利用されたそれぞれの鉛鉱山が判ってきた。鉄砲玉と銀製錬に利用された鉛の産地が系統的に異なっていることは日本史の中で何を示唆しているのであろうか。

言及状況

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豊臣秀吉の朝鮮出征で明が日本に対する貿易を禁止したことで、マカオから日本に向かう船が少なくなったり定期船がなくなったことで、日本側で鉛や硝石などの軍需物資が手に入らなくなりそれを求めてルソンに向かった様です。 ルソンもマカオから軍需物資を購入していたので、ルソンでも同じく軍需物資が不足したので日本はルソンに鉛や硝石を求めても手に入らなかったのではないかと思う。 この時代の鉛が国産4割、タイのソント ...

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@Clunio こういう文献を見つけました。 同じことを考えている方がいらっしゃいます。 教科書通りに国産鉛だけで賄っていたはずがない、と。 鉛同位体比から見た日本の戦国時代における鉛の流通 https://t.co/1iObXbqkFy
鉛同位体比から見た日本の戦国時代における鉛の流通 https://t.co/zGDHvdOWXx
#NHKスペシャル #戦国 鉄砲の玉にタイ産の鉛が使われていることが分かってきたという研究。2012年発表。https://t.co/S2G1gsdQnW
弾丸見ると、輸入鉛が半分近い割合だったということで鉛は国内生産で需要を賄っていたという考えに疑義が出るようです。輸入品ってことは、意外と高いのかもしれませんね。面白い。https://t.co/cGdSMu8URv

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