著者
中澤 高志
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.75, no.14, pp.837-857, 2002-12-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
79
被引用文献数
1

本稿では,アンケート調査に基づき,九州各県に立地する情報サービス企業の従業員の地域間・企業間移動,キャリアパスおよび年収に関する分析を行った.対象者の約6割は転職経験を持ち,約3分の1は還流移動を経験しており,特に35歳以上では還流移動者が過半数に達している.地方圏の情報技術者の典型的なキャリアは,プログラマーからシステムエンジニアを経て管理職へと至るものである.しかし情報サービス関連以外の職から情報サービス産業に職を得る者もみられ,彼らの中には還流移動を経験した者が多いことから,情報技術者の職に就いていなかった還流移動者にとっても,情報サービス産業が雇用の受皿となっているといえる.また,本稿では転職経験を中心に,個人属性や職業キャリアのパターンが年収に与える影響を分析した.九州内で転職を行った者についていえば,転職が年収に与える影響は少ないが,九州外からの転職の経験した者は,年収がやや低い傾向がある.

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【地理学評論掲載論文】中澤高志 2002.九州における情報技術者の職業キャリアと労働市場.地理学評論75: 837-857.https://t.co/riWxeIHZoW

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