著者
宮澤 仁 阿部 隆
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.78, no.13, pp.893-912, 2005-11-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
25
被引用文献数
5 23

本稿は,国勢調査の小地域集計結果の分析から,1990年代後半の東京都心部の人口回復に寄与した住民の特性ならびに人口増加地区における住民構成の変化を明らかにした.その結果,この時期にアフォーダビリティに関して多様な条件の住宅が供給された東京では,特定の属性の住民のみが都心居住を可能にしたわけではなく,特定の町丁へ転入した住民は,家族構成と社会階層に応じて居住地・住宅を選択していた.このことは,都心部の居住地構造にミクロスケールの量的・質的変化を生じさせ,短期間にその不均一性を高めたと考えられる.この不均一性の高まりに伴い発現する都市の新たな現象や社会問題の解明に取り組むことが今後の課題である.

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[RE][paper] 宮澤仁・阿部隆「1990年代後半の東京都心部における人口回復と住民構成の変化」『地理学評論』 https://t.co/e91KfK8Nja 「この時期に*多様な*住宅が供給された東京では、特定の属性の住民のみ*ではなく、家族構成と社会階層に応じて居住地・住宅を選択していた」
【地理学評論掲載論文】宮澤 仁・阿部 隆 2005.1990年代後半の東京都心部における人口回復と住民構成の変化-国勢調査小地域集計結果の分析から,地理学評論78,893-912.https://t.co/zQoix6xG5S

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