著者
埴淵 知哉
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.81, no.7, pp.571-590, 2008-09-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
93
被引用文献数
4

本稿の目的は, 世界都市システムをめぐる近年の研究動向を整理し, 今後の研究の課題と方向性を示すことである. 近年の世界都市システム研究は, GaWCという研究グループを中心に進められてきた. 多様な理論背景を持っ世界都市システム研究の問題意識には, 世界都市―世界都市関係と, 世界都市―領域国家関係という二つの側面があり, 世界都市システムをメタ地理学的イメージとして提示することが意図されている. グローバル・サービス企業を中心とした分析から, GaWCは世界都市システムの姿を具体的に描き出してきた. しかし, そこで想定する組織形態が不明瞭な点や, グローバル・サービス企業中心のモデル化といった点に, 大きな課題がある. 本稿ではこれに対して, 組織論的視点の明示的な導入と, NGOを対象としたオルタナティブな研究を提案し, 企業組織中心の世界都市システム概念を相対化することの必要性を指摘した.

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【地理学評論掲載論文】埴淵知哉 2008.GaWCによる世界都市システム研究の成果と課題-組織論およびNGO研究の視点から-,地理学評論81,571-590.http://t.co/TycsmwBskY

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