著者
板口 典弘 森 真由子 内山 由美子 吉澤 浩志 小池 康晴 福澤 一吉
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.436-443, 2019-12-31 (Released:2021-01-04)
参考文献数
16

本研究は, 日常的に利用できるタブレットから取得できる情報を用いて, 書字運動および書字障害を定量的に評価する手法を提案することを目的とした。頭頂葉を含む病変を有する症例 5 名 (以下, 患者群) と高齢健常者 5 名 (以下, 統制群) が参加した。提案手法によって, (1) 書字障害を呈する症例のみにおいて, 字画間にかかる時間が長かったこと, (2) 症状にかかわらず, 患者群の速度極小点の数が統制群の範囲を越えて大きかったこと, (3) 複数症例で, 字画間の時間と距離の関係が統制群と異なっていたこと, (4) 統制群の字画間の時間と距離の相関係数は, 比較的安定であったことが明らかとなった。この知見に基づき, タブレットによる書字運動評価の有用性について議論した。

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9/22(金)に、慶應大学の板口先生から、検査所見の読み方など、ST臨床にまつわるデータの見方や統計手法についてお話ししてもらいます!! 板口先生はSTじゃないけど、ほぼSTみたいなヒトだぞ。一緒に勉強しよう!! ↓書字の論文、読んでみて↓ https://t.co/3Z6kEOa59y
今日の論文:iPadでの書字評価 文字を書く速度と文字の綺麗さはイコールではない。文字を書くときの運動(運筆)に焦点を当て、iPadで書き取り課題を実施。頭頂葉病変の方は運筆が滑らかではない、という結果がでた。今後、質的な症状の鑑別がiPadを用いて行える可能性がある。 https://t.co/jOTnmM7fo4
そういえば1年ちょい前に出た論文がJ-StageからDLできるようになってました。書字障害の定量的評価 : タブレットを用いた位置と時間の解析,高次脳機能研究 https://t.co/sI1Uw3SwdY

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