著者
外山 美樹 湯 立 長峯 聖人 三和 秀平 相川 充
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.321-332, 2017 (Released:2018-02-21)
参考文献数
54
被引用文献数
10 8

本研究の目的は, ポジティブなプロセスフィードバック(以下, PosiProFB)とネガティブなプロセスフィードバック(以下, NegaProFB)が受け手の動機づけに与える影響において, 制御焦点が調整変数となりうるのかどうかを検討することであった。実験参加者は大学生64名であった。本研究の結果より, プロセスフィードバックが受け手の動機づけに及ぼす影響は, 制御焦点によって異なることが示された。促進焦点の状況が活性化された場合には, NegaProFBよりもPosiProFBが与えられた方が次の課題への努力が高く, 課題への興味が向上することが示された。一方で, 防止焦点の状況が活性化された場合には, 逆に, PosiProFBよりもNegaProFBが与えられた方が次の課題への努力が高く, 課題への興味が向上することが示された。また, 自由時間中の課題従事の有無においては, 制御焦点およびフィードバックの影響が見られなかった。獲得の在・不在に焦点が当てられている促進焦点は, PosiProFBが与えられた時に制御適合が生じる一方, 損失の在・不在に焦点が当てられている防止焦点は, NegaProFBが与えられた時に制御適合が生じ, その結果, 動機づけ(次の課題への努力, 課題への興味)が高まるものと考えられる。

言及状況

外部データベース (DOI)

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フィードバックがモチベーションに与える影響と、制御焦点との関係についての研究。 制御焦点とは「自己を制御する時の志向性」として、どのような欲求を重視するか、とのこと。論文では希望や進歩を重視する促進焦点、安全や責任を重視する防止焦点、ごと分析されています。 https://t.co/y79OZRhh9Y

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