著者
石川 奈保子 向後 千春
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.315-324, 2017-02-20 (Released:2017-03-23)
参考文献数
25

本研究では,eラーニング制大学通信教育課程(オンライン大学)の基礎教育科目の受講生を対象に,「大学通信教育課程の社会人学生の自己調整学習方略尺度」による2波のパネル調査を行った.その結果,以下のことが明らかになった.(1) 大学通信教育課程の社会人学生の自己調整学習方略として,「Ⅰ学習方法を振り返る」「Ⅱ学習を工夫する」「Ⅲ大学の友人にたずねる」「Ⅳ学習計画を立てる」「Ⅴ自分にご褒美を与える」の5因子が抽出された.(2) 学習方略因子間の因果関係として,以下の2点が示された.学習方略使用状況は約半年後も大きくは変わらない.共分散構造分析により,「Ⅰ学習方法を振り返る」から「Ⅲ大学の友人にたずねる」「Ⅳ学習計画を立てる」へ,「Ⅳ学習計画を立てる」から「Ⅱ学習を工夫する」「Ⅴ自分にご褒美を与える」への影響が確認された.以上のことから,大学通信教育課程の社会人学生には,まず,「Ⅰ学習方法を振り返る」方略を使用するよう促すことで,自己調整学習のサイクルに誘導できる可能性があることが示唆された.

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[eラーニング][リカレント教育] “「Ⅰ学習方法を振り返る」方略を使用するよう促すことで,自己調整学習のサイクルに誘導できる可能性があることが示唆”

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“「Ⅰ学習方法を振り返る」方略を使用するよう促すことで,自己調整学習のサイクルに誘導できる可能性があることが示唆” / “大学通信教育課程の社会人学生における自己調整学習方略間の影響関係の分析” https://t.co/5cRYcUm82T #eラーニング #リカレント教育

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