著者
不破 麻紀子 筒井 淳也
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.52-63, 2010-04-30 (Released:2011-05-10)
参考文献数
21
被引用文献数
8 10 5

夫婦間の家事分担は,収入や時間的制約の差を考慮に入れても,実際の家事の多くを妻が担っているという不公平な状態になっている。それにもかかわらず妻側の不公平感は高くなく,こういった状態は経済的・時間的要因では説明ができない。これに対してジェンダー理論では妻の伝統的性別役割分業意識が強い場合は不公平感が弱いという説明を行ってきた。本論文ではこれに加え,特定の家事分担状態が不公平であるかどうかの判断基準には,社会的環境の影響も強く働いていると予測する。つまり自分が属している社会の分担水準が公平の判断基準となり,それが自分の家事分担の不公平感に影響していることが考えられる。家事分担と不公平感に関する国際比較データから,妻の家事分担比率が高い国,性別役割分業意識が強い国では,実際に妻の家事負担が大きく,また,妻が長時間働いていたり,高学歴であっても,不公平感をもちにくいということが明らかになった。

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不破麻紀子, 筒井淳也. (2010). 家事分担に対する不公平感の国際比較分析. 家族社会学研究, 22(1), 52-63. https://t.co/M6hyTvwGrS 「図1.家事分担比率と不公平感の散布図」が面白い。性別役割分担・通年の強い国では、実際の家事負担の重さが不公平感に反映されにくい傾向があるとのこと。
改めておすすめしたい。 https://t.co/TqqRsrG2UP https://t.co/rKtXTJxnj8
承前。先の分析で引用されている不破さんと筒井さんの論文(「家事分担に対する不公平感の国際比較分析」)もおもしろい。こちらから読めます。 https://t.co/f5a1OLNXnw
家事分担研究 国際比較:Fuwa2004 http://t.co/qRYWn5BE Fuwa&Cohen2007 http://t.co/1T6YX20d 不破&筒井2010 https://t.co/wvNnwygb 日本:筒井2011 http://t.co/xBStjHeh

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