著者
松尾 加代子 上津 ひろな 高島 康弘 阿部 仁一郎
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.35-40, 2016-06-30 (Released:2016-08-20)
参考文献数
20
被引用文献数
2 13

岐阜県内で捕獲されたホンシュウジカ63頭およびニホンイノシシ30頭の筋肉について住肉胞子虫の調査を行ったところ,シスト保有率はそれぞれ95.2%および50.0%であった。ホンシュウジカおよびニホンイノシシから得られた住肉胞子虫のブラディゾイトは,いずれも馬肉の生食による住肉胞子虫性食中毒の原因とされる毒性タンパク質に対する免疫染色で陽性を示した。ニホンイノシシの筋肉からはHepatozoon sp.も検出された。分離株の18S rDNAの系統樹解析により,ホンシュウジカ由来住肉胞子虫株は遺伝的に多様で主に5つのグループに分類され,ニホンイノシシ由来のHepatozoon sp.はタイの野生イノシシ寄生マダニ由来のHepatozoon sp.と最も近縁であった。

言及状況

外部データベース (DOI)

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岐阜県内で捕獲されたニホンジカの9割、イノシシは5割のロース、モモに住肉胞子虫が寄生していたという論文 https://t.co/KVixz4hEIl

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