著者
松尾 加代子 上津 ひろな 高島 康弘 阿部 仁一郎
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.35-40, 2016-06-30 (Released:2016-08-20)
参考文献数
20
被引用文献数
2 13

岐阜県内で捕獲されたホンシュウジカ63頭およびニホンイノシシ30頭の筋肉について住肉胞子虫の調査を行ったところ,シスト保有率はそれぞれ95.2%および50.0%であった。ホンシュウジカおよびニホンイノシシから得られた住肉胞子虫のブラディゾイトは,いずれも馬肉の生食による住肉胞子虫性食中毒の原因とされる毒性タンパク質に対する免疫染色で陽性を示した。ニホンイノシシの筋肉からはHepatozoon sp.も検出された。分離株の18S rDNAの系統樹解析により,ホンシュウジカ由来住肉胞子虫株は遺伝的に多様で主に5つのグループに分類され,ニホンイノシシ由来のHepatozoon sp.はタイの野生イノシシ寄生マダニ由来のHepatozoon sp.と最も近縁であった。
著者
上田 舞 高島 康弘
出版者
日本サイトメトリー学会
雑誌
サイトメトリーリサーチ (ISSN:09166920)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.19-24, 2017-05-25 (Released:2017-05-31)
参考文献数
20

Since mouse embryonic stem cells (ESCs) were established from pre-implantation epiblasts, mouse genomics has dramatically progressed and life science has been expanded. After the establishment of human ESCs in 1998 and human induced pluripotent stem cells (iPSCs) in 2007, there has been added expectation for regenerative medicine from pluripotent stem cells (PSCs). However, the pluripotency character of PSCs is not as well studied as the differentiation potential. We still do not know why, for example, mouse and human PSCs have distinct morphologies and signaling requirements for the maintenance of pluripotency as well as different transcriptome and epigenome.Currently, PSCs are classified into two pluripotent states, naïve and primed. Mouse PSCs represent naïve state, which corresponds to pre-implantation epiblasts and can contribute to chimaeras efficiently, whereas human PSCs represent primed state, which corresponds to post-implantation epiblasts.We have recently succeeded in generating human naïve PSCs by transient overexpression of NANOG and KLF2 in human primed PSCs. Our human naïve PSCs and mouse ESCs/iPSCs have similar gene expression pattern. Furthermore, they have DNA hypomethylation and alteration in mitochondrial metabolism that resemble preimplantation epiblasts. Human naïve PSCs may be useful to overcome the problems of heterogeneous populations, variation between cell lines, and the poorer differentiation efficiency of human PSCs compared with mouse PSCs. Additionally, naïve human PSCs open the gate to study human pre-implantation embryogenesis.In this review, we have written the history, current topics and future direction of PSCs and human naïve PSCs.
著者
高島 康弘
出版者
神戸大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

ES細胞から間葉系幹細胞を誘導しえたこと、この間葉系幹細胞は神経上皮細胞由来であることから、試験管内のES細胞の分化メカニズムと生体内の発生過程が同じであるのかを明らかにすることを目的として研究を行った。神経上皮特異的に発現している遺伝子であるSox1遺伝子にCreリコンビネースをノックインしたマウスを作成した。このマウスと、Rosa-stop-YFPマウスと交配することで、Creが発現すると、YFPが発現し、ひとたびCreが発現した細胞は、理論上Creを発現し続けることができるマウスを作成することに成功できた。このマウスを解析したところ、胎生期においては、YFP陽性すなわち神経上皮細胞由来のPDGFRα陽性の細胞が存在し、その細胞は多分化能および増殖能力を有しES細胞由来の間葉系幹細胞と同じ能力および形態の細胞であった。以上のことから、少なくとも胎生期において、神経上皮由来の間葉系幹細胞が生体内で存在することを証明しえた。次に出生後のマウスにて神経上皮由来の細胞が存在するのかを解析することにした。同様にSox1CreマウスとRosa-stop-YFPマウスを交配した。まず、間葉系幹細胞の存在が報告されている骨髄で解析をすることにした。出生直後のマウスを用いた解析からは、骨髄内にわずかではあるが、間葉系幹細胞が存在する、という所見を得た。この発生過程が、神経から直接関間葉系に分化するのか、Neural crestを経るのか、という問題に関して、PO-Creマウスを用いて、同様に行った。このとき、Sox1-Creマウスと同様にNeural Crestからも同様にできることがわかり、少なくともNeural Crestも神経上皮と同様の能力を持つということが分かった。
著者
Batanova Tatiana A. 太田 陽子 鬼頭 克也 松本 安喜 林 良博 高島 康弘
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.87-90, 2006-01-25
被引用文献数
1

マウス免疫グロブリンG1(IgG1)のFc領域をもつキメラ蛋白を作成し, その免疫学的性状を調べた.この分子は抗体分子の持つ性質のうち, マクロファージによる抗体依存性細胞障害の誘導能, lipopolysaccaride刺激された脾臓細胞によるインターロイキン10産生の増強能を保持していた.