著者
岡本 一毅 奥西 淳二 渡邉 幸彦 西原 豊 池田 雅裕
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.68-72, 2010 (Released:2010-06-05)
参考文献数
12
被引用文献数
2 or 0

現在,アルコールベースの消毒薬は手指衛生において重要な役割を担っている.しかし,臨床的なニーズを充足できていない点も有している.その一つとして,近年その感染拡大が社会問題となっているノロウイルスなどのノンエンベロープウイルスに対する薬効が挙げられる.今回,我々はアルコールに有機酸と亜鉛化合物を組み合わせた処方を用いノンエンベロープウイルスに対する薬効(in vitro)と皮膚刺激性(in vivo)に着目した検討を行った.アルコールに有機酸を添加した処方では,ネコカリシウイルスに対して接触時間30秒以内に4 log以上の不活化効果を示したが,アデノウイルスに対しては消毒用エタノールと同程度の薬効であった.一方,アルコールに有機酸と亜鉛化合物を添加した場合,ネコカリシウイルスとアデノウイルスの両ウイルスに対して30秒以内に4 log以上の不活化効果を示し,消毒用エタノールよりも優れた薬効を示した.また,ウサギ皮膚を用いてこれら処方の皮膚刺激性試験を実施した結果,アルコールに有機酸と亜鉛化合物を組み合わせた場合,刺激をほとんど示さないことが明らかとなった.このように,アルコールに有機酸と亜鉛化合物を組み合わせた処方は,ノンエンベロープウイルスに対して従来にない有効性を示すと共に,スキンケアの観点から皮膚への刺激にも配慮した新しいアルコールベースの消毒薬を創出できる可能性が示唆された.

言及状況

外部データベース (DOI)

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石鹸や洗浄剤を使用して十分に洗浄すれば、ノロウイルスを手指から落とすことは可能です。また、手を洗わない料理人がいたら、しょっちゅう食中毒を起こし、営業停止をくらって商売として成り立たなくなるのではないでしょうか。 ところで、昨年1月、浜松市で起きた学校給食のパンによるノロウイルス集団食中毒はご存知でしょうか。1300人近くが発症という大きな事件でした。この時の新聞報道には「18、19日に(パン ...

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原著論文 アルコール消毒薬のノンエンベロープウイルスに対する有効性改善策 環境感染学会誌 25 巻 (2010) 2号 p. 68-72 https://t.co/2pYWXIpGJt
あら、意外とちゃんとした報告もあるのね https://t.co/pygpcNWhVz
ノロウイルスに有効な消毒薬として有機酸を添加したアルコールが販売されている件について。調べて見たら一件だけ見つかった。 https://t.co/0pd5JPLSy7
(前ツイートと前後するけど) "一方,エタノールに有機酸と亜鉛含有化合物を加えた処方Ztypeでは,30秒で4log以上の不活化を示し,処方Ztypeの高い有効性が確認された." https://t.co/jvV6vlY98X
"有機酸,硫酸亜鉛単独においてもノンエンベロープウイルスに対する薬効が認められず"/"エタノールにいずれか一方を組み合わせた場合においてもアデノウイルスとネコカリシウイルスの両方に効果を示す処方を確認することが出来なかった" https://t.co/jvV6vlY98X
丸石製薬の「ウエルセプト」の研究論文だろうか。 [PDF] https://t.co/jvV6vlY98X

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