著者
白石 正 丘 龍祥 仲川 義人
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.108-112, 1998-04-30 (Released:2010-07-21)
参考文献数
12

注射部位の皮膚消毒には80vol%消毒用エタノール (ETOH), 70vol%イソプロパノール (IPA), 80vol%メタノール変性アルコール (NEO) が使用されている.これらの同等性の如何を検討する目的で, それぞれの試験液 (未希釈液) と1.5倍, 2倍, 3倍希釈液の各種臨床分離株に対する殺菌効果および医療従事者 (n=10) を対象とした皮膚の除菌効果を検討した.その結果, 3種の未希釈液および1.5倍希釈液は各種細菌を15秒で殺菌したが, 2倍希釈液では30秒の接触でETOHに比しIPA, NEOがより高い殺菌効果を示した.皮膚の除菌率ではETOHの未希釈液は99.0±1.3%となり, 2倍希釈液85.0±18.6%および3倍希釈液61.3±30.58%との間に有意差が認められた.NEOにおいても未希釈液98.9±1.6%と2倍希釈液95.2±5.3%および3倍希釈液68.4±35.7%との間で有意差が認められた.しかし, IPAでは未希釈液の除菌率97.7±4.0%と3倍希釈液の除菌率77.3±29.1%の間にのみ有意差が認められた.これらより, 基礎的検討において各消毒剤の未希釈液および1.5倍希釈液は高い殺菌効果を有していたが, 臨床的検討ではIPAがETOHおよびNEOに比し, 高い殺菌効果を示したことから, 総合的に見た殺菌力ではIPA>NEO>ETOHであることが認められた.

言及状況

外部データベース (DOI)

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以下の論文に解説が有ります。既定の濃度(70%-80%)ではどれでも十分な殺菌力が有るようです。 薄めて測定した結果では「イソプロパノール>メタノール変性アルコール>エタノール」という結果になっています。 *「エタノール, イソプロパノール, メタノール変性アルコール製剤に関する殺菌効力の検討」https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsei1986/13 ...

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[エタノール][1998年][白石 正][丘 龍祥][仲川 義人][環境感染] 13巻 2号 p.108-112

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次亜塩素散水に歯周病菌の殺菌作用はあるようです https://t.co/loyJgix0BM エタノールもグラム陰性菌の殺菌作用もありますので https://t.co/JpVMCBXi2S 器具の殺菌に使えるかと思ったのですが https://t.co/Vsj8ra9spX 全然だめですね。滅菌可能なのは、蒸気滅菌、酸化エチレン、ホルムアルデヒド…
@mir0_ お酒ではありませんが、消毒用アルコールを薄めた場合の効果の資料がありました。 https://t.co/r2yfiajv60
@kawahara_kikuko メタノールも使われてないわけではないですが、危険なことには変わりありませんね https://t.co/r2yfiajv60
エタノール,イソプロパノール,メタノール変性アルコール製剤に関する殺菌効力の検討 - https://t.co/HQK7gab4if ナナメ読みしたので正確じゃないかもですが、殺菌力はIPA>NEO>EtOHとのこと。……山形大学医学部附属病院薬剤部さんでちょっと驚きました。
@ms667permil 消毒用途としてはIPAで問題ありませんが(医療現場でも使われます) 吸引すると毒性が有りますので換気に気をつけてください その他に樹脂や塗料への攻撃性もあります 引用 殺菌力ではIPA>NEO>ETOH https://t.co/NwYuY0QvoI 毒性について https://t.co/FpaEV2IGvi https://t.co/ziVnVNAGhE
気をつけて使えばメタでも除菌は出来るし、エタより強力。毒性あるけど・・・。 https://t.co/x7DjLZtmIS
消毒用アルコールをケチった。 器具と容器の消毒だからまぁメタ主体のアルコールでもいいんじゃないかと。 https://t.co/Szf5YkCSJi https://t.co/dcIJy01krt

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