著者
長澤 孝志
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.3-10, 2018 (Released:2018-03-01)
参考文献数
29

食品成分による筋萎縮抑制機構を明らかにするためには, 合成や分解に関わる因子の活性を測定するだけではなく, 合成・分解速度を直接測定することが重要である。骨格筋 (筋原線維) タンパク質の分解速度を測定するために, 3-メチルヒスチジンを用いた方法を尿だけではなく血中, 動静脈差, 後肢筋灌流, 単離筋肉切片, 培養筋細胞においても応用し, 正確かつ短期間の骨格筋タンパク質の分解速度を評価する方法を確立した。この方法を用いて, ラットにおいてロイシンやリシンの摂取により骨格筋タンパク質の分解を抑制できることが示され, その機構としてAktを介したオートファジー形成のダウンレギュレーションであることが明らかになった。リシンの筋萎縮抑制効果は, 加齢に伴う筋肉量の減少 (サルコペニア) のモデルであるSAMP8マウスにおいても認められた。このように, アミノ酸の摂取は骨格筋タンパク質の合成だけでなく, 分解も調節することで, 低栄養, 加齢, 疾病時の筋萎縮を抑制できることが期待される。

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