著者
松村 成暢
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.231-235, 2018 (Released:2018-10-19)
参考文献数
11

油脂を多く含む食品は魅力的なおいしさ (嗜好性) を持つ。我々はこれまでの研究により脂肪酸結合タンパク質CD36が舌の味細胞に発現していることを見出し, 油脂が受容体を介して味細胞を刺激することを示してきた。本研究ではGタンパク共役型の脂肪酸受容体GPR120が舌の味細胞に発現していることを新たに発見した。次に油脂の嗜好性の脳内メカニズムについて検討を行った。嗜好性の高い食品の摂取は脳内でβエンドルフィン分泌を促進することが知られている。そこで, マウスに油脂を摂取させ検討したところ, 脳内でβエンドルフィンニューロンが活性化されることが明らかとなった。βエンドルフィンは快感を生み出す神経ペプチドであることから, 油脂はCD36とGPR120を介して味細胞を刺激し, 味覚神経を介して脳内でβエンドルフィン分泌を引き起こす。これが快感を生み出し, 油脂の高い嗜好性の発生に関与する可能性を示した。

言及状況

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@togetter_jp 私見だけども、こだわりのお米に油はもったいない気がする。料理研究家はいい米にそんなレシピ作らないでしょ。 ヒトは油脂の嗜好にとても敏感なので、サブリミナル効果で米を美味く感じられるよう誘因している可能性すら俺は感じる。 https://t.co/xntGd8HFpP
@vrc_sour 動物性油脂の摂取によりβエンドルフィンニューロンが活性化して快感物質が脳内に放出される。すなわち脂っこいものを食べると生き物は幸せになるという事実が、科学的に立証されています。 https://t.co/K1aG2JaUTB
@mono_ein マ。 https://t.co/7vROKwGBKr
@toriyama_toriwo 油脂を摂取するとエンドルフィンが分泌されて幸せな気持ちになれることは、マウス実験で実証されていますからね!  https://t.co/jE3KPUKA4X
@GOROman あとはタンパク質と脂質を増やしてみるのもありかもです、アメリカン食生活強し https://t.co/kb4gUD0FeJ

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