著者
橋詰 淳哉 龍 恵美 能勢 誠一 宮永 圭 岸川 礼子 中村 忠博 室 高広 兒玉 幸修 山下 春奈 石井 浩二 佐々木 均
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.101-109, 2020 (Released:2020-04-30)
参考文献数
25
被引用文献数
1 5

【目的】ナルデメジンは消化管のµオピオイド受容体に拮抗してオピオイド誘発性便秘(opioid-induced constipation: OIC)を改善するが,副作用として下痢が知られている.ナルデメジン導入後の下痢発現の予測因子についてオピオイド鎮痛薬投与期間に着目して解析した.【方法】2017年6月1日から2019年3月31日の期間に長崎大学病院においてナルデメジンをはじめて導入した患者を対象に後方視的調査を行った.【結果】調査対象は132名であり,下痢は33名(25.0%)に発現した.多変量ロジスティック回帰分析の結果,ナルデメジン導入前のオピオイド鎮痛薬投与日数8日以上は下痢発現と有意に関連した(オッズ比:3.76, 95%信頼区間:1.53-9.20, p=0.004).【考察】OICに対してナルデメジンを使用する場合,オピオイド開始後7日以内に使用することで,下痢の発現を回避できる可能性が示唆された.

言及状況

外部データベース (DOI)

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@sakamakimaki815 FF外から失礼します。 このような報告もあるのでその直感は当たってるかもです。 薬価も無視できないと思いますが予防的に導入するのもありたと思います。 https://t.co/ipEsag8h1L
ナルデメジン導入後の下痢発現に関する予測因子 https://t.co/fA12o0fAXG オピオイドを服用している方の便秘にナルデメジンを提案しようと思っても、ナルデメジン開始初期の退薬症状で下痢になるのを恐れてオピオイド開始と同時に始めた方がいいのかいつも悩みます。この論文も参考になりそう。

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