著者
池田 智子
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.Special_Issue, pp.59-66, 2013-10-01 (Released:2013-10-10)
参考文献数
8
被引用文献数
1

1972年に職業病予防を目的に制定された労働安全衛生法は,時代とともに私傷病(作業関連疾患)への配慮も含む内容に変わり,近年では労使の参加・協力の枠組みも示されるようになった.今後は,拡充された労働安衛衛生法の目的達成のために,労使主体による予防活動のさらなる推進が重要になるが,それには全ての労働者に対して,自主的活動を行える力をエンパワーメントする必要がある.看護とは,対象者の潜在能力を引き出し最大限に発揮できるようエンパワーメントすることであり,環境改善やポピュレーションアプローチを含む活動であることを,既に1850年代にナイチンゲールが説いた.また保健師とは,当事者が自らの健康課題を解決するプロセスへの援助を核とし,コミュニティを基盤に健康問題をとらえ,予防につながる組織的な取り組みを担い,公的責任を志向する公衆衛生専門職である.保健師や看護師(両者を総称して「看護職」)の活動基盤は「エンパワーメント」の理論と技術であり,今後,労使自主対応型の労働安全衛生を推進するにあたり,重要な役割を担える専門職である.

言及状況

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2013年の論文とはいえ、これまでの歴史がまとまっているので読みやすい。 2022年はコロナや健康経営など産業看護職を取り巻く状況は当時と変わっていても根幹は同じ。 「産業看護職が果たしてきた役割と今後の展望」https://t.co/3H63ErIQaK
この表現いいね。 保健師や看護師の活動基盤は「エンパワーメント」の理論と技術であり,労使自主対応型の労働安全衛生を推進するにあたり,重要な役割を担える専門職 https://t.co/Ld6Dh9zUDc
おっと、貼り損ねた https://t.co/oZ6ADzPCiA

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