著者
橋本 晃生
出版者
一般社団法人 日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.230-239, 2018-12-25 (Released:2019-12-25)
参考文献数
40

カンタリジンは一部の甲虫類が有する有毒な防御物質である.一方,カンタリジンを生産する昆虫やカンタリジンそのものには,様々な分類群の節足動物が誘引され,それらはカンタリジンあるいはその類似物質を利用する.その利用の仕方は,(1)自身の防御物質として利用(またはメスがオスから交尾時に受け取る婚姻贈呈物に含まれるカンタリジンを用いて自身の卵を防御する),(2)食物/寄主探索に利用,(3)集合フェロモンとして利用の3つに分類できる.このようなカンタリジンを介した種内/種間相互作用を伴う特異な生物群集をカンタリジン・ワールドと呼び,本稿では,カンタリジン・ワールドの研究小史について概説し,その内部における種間相互作用の時空間的変化,さらに種内相互作用として雌雄間でのカンタリジンの授受に関する最新の研究を紹介した.

言及状況

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論文紹介】 一部甲虫類が有する有毒物質カンタリジン(CTD)に関する論文です。自身の防御物質としての用途以外にも、CTDが利用されているという話です。 昆虫食の観点からだと「CTDを持っている虫は食べられない」くらいの認識でしたが、奥深い世界があったのですね。 https://t.co/v7cPJlvP1a
カンタリジンを介して昆虫が紡ぐ コミュニケーションネットワーク https://t.co/02ofwTbJSJ "カンタリジン・ワールド" 先日、登山した際にヒメツチハンミョウ雌の死骸にアカホソアリモドキが複数集まっているのを見て、これが噂のカンタリジン・ワールド...!!!と感動した。
こうしたカンタリジンを巡る複雑な種間相互作用はさまざまな生物に広がっており、「カンタリジン・ワールド」と呼ばれています。その研究者である橋本晃生さん(研究室の先輩でもある)が2018年に日本語での総説を発表され、その魅力的な世界をわかりやすく紹介されています。 https://t.co/wFfrAXuAmO
@IV757975026 これですか なるほど確かに https://t.co/yyjJfTLWbO
橋本(2018).カンタリジンを介して昆虫が紡ぐコミュニケーションネットワーク. 昆蟲 21(4):230-239. https://t.co/CsTU2Ch2OC
@gagieru_osamusi 体内に溜め込むのも一時的なようですしね。意図的ではなさそうです。 捕食ではないですが、カンタリジンはヌカカやアリモドキ、ザトウムシなど一部の節足動物がよく集まるそうです。下記の論文に詳しく書かれています。 https://t.co/0xhhhOnQ4L

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